2014年08月20日

■■【税金Q&A】 未上場会社の株価

■■【税金Q&A】 未上場会社の株価

 税理士・経営士 谷澤 佳彦 氏

 日本経営士協会 理事・首都圏支部長


 谷澤佳彦先生は谷澤佳彦税理士事務所の所長で、税理士業を中心にご活躍中です。

 また、最近は「日本経営士協会 首都圏支部長」として活躍なさっております。このシリーズでは税金について税理士として、ご活躍の谷澤佳彦先生、質問は経営士俵一史先生が致します。


 できる限りわかりやすく説明するために、専門的には説明不充分な部分があることがありますことをご承知おきください。


 ※筆者詳細情報→ http://www.jmca.or.jp/meibo/pd/1065.htm?mag2


◆  未上場会社の株価  ◆


Q:今年は未上場会社の株価が上がっていると聞きました。どういうことでしょうか?


A:未上場会社の相続税法上の評価額のことでしょう。確かに上がっています。


Q:アベノミクス効果による業績アップによるものでしょうか?


A:そうですね。それよりも、類似業種比準価額を計算する際のスタートとなる株価の上昇の影響の方が大きな原因です。


Q:類似業種比準価額とは何でしょうか?


A:税務上の評価方法の1つです。上場している同業会社の株価をスタート地点として、配当と利益と純資産の3点から株価を調整します。


Q:上場している同業会社の株価がスタートであれば、ここ数年、勢いを持って株価が上昇したので影響は大きいですよね。


A:そうですね。ただ、税務で定める会社規模により、類似業種比準価額だけの評価でなく、純資産価額、すなわち所有する資産を時価評価した方式を組み合わせることがあります。そうすると、影響度は下がります。


 税務上の大会社であれば原則として類似業種比準価額で評価します。そして規模が小さくなるにつれ、類似業種比準価額の比重を下げ、純資産価額の比重を上げます。


 税務上の小会社であれば、類似業種比準価額50%、純資産価額50%の割合で株価を計算します。


Q:なぜ類似業種比準価額は採用されるのでしょうか?


A:税務上の考えですが、規模の大きい会社であるほど上場会社に近いものがあります。そこで上場会社の株価をスタート地点に据えました。ですが、上場会社と同じではありませんので、配当、利益、純資産の3つの指標で上場会社とその会社の状況を比較し、株価の調整をはかります。


Q:類似業種比準価額を引き下げるには何か方策はありませんか?


A:配当を出さない、利益を圧縮するなどの方法により、ある程度コントロール可能です。ただ、毎期赤字ばかりでは事業として成り立ちません。相続税対策で株価を引き下げるのはいいのですが、会社も事業です。稼ぐのが仕事ですので、本業をおろそかにしないようにしていただきたく思います。


Q:関与先にもその旨を伝えます。ありがとうございました。


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Posted by 経営士 at 10:28Comments(0)税金Q&A

2014年07月16日

■■【税金Q&A】  配偶者控除

■■【税金Q&A】  配偶者控除

 税理士・経営士 谷澤 佳彦 氏

 日本経営士協会 理事・首都圏支部長


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◆   配偶者控除  ◆

 

Q:報道によりますと、配偶者控除を廃止する議論が出ています。今月はこの配偶者控除について教えて下さい。
 「配偶者の年収が103万円を超えると、配偶者控除を受けられなくなる」とよく耳にします。本当ですか?


A:まず正しくは、年収103万円でなく、合計所得38万円です。


Q:年収と所得はどう違うのでしょうか?


A:所得は収入から経費を差し引いたものです。
 給与所得者の経費は「給与所得控除」という概算経費を利用できます。この給与所得控除は最低65万円です。

 従って年収103万円とは、年収103万円-経費たる給与所得控除65万円=所得38万円ということになります。


Q:事業を行っている方であれば、利益が所得となるわけですね?


A:そうです。年金受給者であれば、年金控除というものを差し引いた後の金額が所得となります。


Q:ところで、所得と合計所得はどう違うのでしょうか?


A:所得税法においては、所得の種類により給与所得、事業所得、不動産所得などに区分しています。これらの所得を合算または一定の通算したものが合計所得です。


Q:ではもう1つの疑問点、「所得38万円を超えると配偶者控除を受けられなくなる」、これは合っていますか?


A:合っています。ただ補足が必要です。


Q:何でしょうか?


A:配偶者控除は受けられなくなりますが、配偶者特別控除が受けられます。


Q:配偶者特別控除とは何でしょうか?


A:配偶者の合計所得が38万以上76万円未満の場合、受けられるものです。最大で38万円、最低で3万円、配偶者の合計所得が多くなると、配偶者特別控除が減少します。


Q:すると、合計所得38万円を境に、急に控除が減る=課税対象が増えるわけではないのですね?


A:そうです。配偶者特別控除について理解されていない方を多く見受けます。


Q:わかりました、ありがとうございました。


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Posted by 経営士 at 07:21Comments(0)税金Q&A

2014年05月21日

■■【税金Q&A】 減価償却費

■■【税金Q&A】 減価償却費

 税理士・経営士 谷澤 佳彦 氏

 日本経営士協会 理事・首都圏支部長


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■ 減価償却費

Q:今月は減価償却費についての質問です。減価償却方法が見直されると聞いたのですが、どうなるのでしょうか?

A:中小企業は税務決算を組みます。従って、税務の話をします。政府税制調査会では、減価償却制度の見直しを4月に提示しました。

Q:どのような提示ですか?

A:減価償却方法を定額法に一本化するというものです。

Q:現在の税務では、減価償却方法が複数存在しますよね。

A:大きく分けて定額法と定率法です。

Q:大雑把にいって、どのような違いですか?

A:定額法は、毎期同じ金額を経費たる減価償却費として計上します。定率法は、取得から浅い年数の期間ほど減価償却費が大きく、期間が経過するにつれ、減価償却費は少なくなります。

Q:どちらが経営上、有利でしょうか?

A:一概には有利不利を判断できません。新聞などでは「設備投資を行ったため償却負担で赤字」という記事を見かけます。これは減価償却方法に定率法を採用したため、初期の減価償却費が大きくなるために起こる現象です。定額法であれば、このようなことは起こりません。

 一方、設備は古くなるほど故障等が起こり、修繕費が年々大きくなります。

 定額法であれば、減価償却費は毎期一定で修繕費の増加を吸収できません。

 定率法であれば、減価償却費が年々逓減しますので修繕費の増加を吸収できます。

Q:キャッシュフローではどうでしょうか?

A:設備導入に関するキャッシュフローでは、定額法と定率法による相違はありません。ただ、毎期の税負担という点では、定率法の方が導入当初は減価償却費を多くとることにより税負担が最初は少なくて済みます。その少なく済んだ税負担を次の投資に充てることが可能となります。

Q:では、なぜ、定額法に一本化を提言しているのでしょうか?

A:企業の国際競争力強化の観点から、法人税等の実効税率を引き下げることが経済界から言われています。税率を引き下げる=税収減です。この税収減を補うのが課税ベース拡大です。減価償却費を定率法から定額法に変更すれば、一時的に減価償却費が減少し課税ベースが広まります。

Q:減価償却方法変更は、減価償却費として先に経費計上するか、後に経費計上するかの違いであり、耐用年数期間を通してみると、経費計上できる総額に相違はありませんよね。
 ならば、課税ベース拡大は一時的なものではないでしょうか?

A:その通りです。ただ、税率を引き下げても、企業が国際競争力をつけて、利益が増加すれば、結果として、税率引き下げを企業利益が補ってくれます。

Q:税率を引き下げたなら、その後の政府は経済の舵取りが難しくなりますね。

 ありがとうございました。

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Posted by 経営士 at 17:28Comments(0)税金Q&A

2014年04月08日

■■【税金Q&A】 税務申告書の提出期限に対する裏ワザ

■■【税金Q&A】 税務申告書の提出期限に対する裏ワ

 税理士・経営士 谷澤 佳彦 氏

 日本経営士協会 理事・首都圏支部長


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◆  税務申告書の提出期限に対する裏ワ  ◆


Q:今年も所得税確定申告提出期限が近付いてきました。今年は3月15日が土曜なので、提出期限は翌執務日の17日ということでよろしいのでしょうか?
A:17日でOKです。


Q:でもネットですと今の確定申告時期は24時間受付ですから、15日に提出できないことはないのですが、17日ですか?
A:現行では、e-taxを利用しても提出期限は17日です。


Q:そうすると提出期限は、e-taxであれば17日の23時59分、紙であれば税務署窓口が閉まるまででしょうか?
A:紙による提出ですが、税務署は納税者が申告書作成会場にいる間、夜遅くまで受け付けてくれるのが実態です。


Q:でも17日に間に合わなければ、罰金が課されるのですよね?
A:還付であれば罰金たる無申告加算税はありません。ただ、青色申告をしている事業所得者等に対して、正規の簿記による貸借対照表作成の場合、利益から65万円を引いてもらえる恩典が適用されなくなります。どの青色申告者にも適用される利益から10万円を差し引く恩典は受けられます。


Q:急用があって、あるいは交通渋滞により間に合わなかった場合の救済措置はありませんか?
A:ありません。ただ1つ、裏ワザがあります。


Q:何でしょうか?
A:夜間ポストです。税務署の前に設置している夜間ポストに投函するのです。


Q:すると間に合うのですか?
A:夜間ポストは毎朝、総務が開函します。投函された時間が不明なので、朝に書類を見つけても前日に投函した取り扱いを行います。


Q:すると事実上、3月18日の早朝まで提出期限が延びるのと同じですね。
A:そうです。ただ、このようなギリギリを超えた提出はおすすめ致しません。余裕をもって早めに提出することをおすすめします。


Q:私も早く提出するよう心がけます。ありがとうございました。

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Posted by 経営士 at 16:13Comments(0)税金Q&A

2014年03月11日

■■【税金Q&A】 価格表記と消費税

■■【税金Q&A】 価格表記と消費税

 税理士・経営士 谷澤 佳彦 氏

 日本経営士協会 理事・首都圏支部長


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◆  価格表記と消費税  ◆


Q:いよいよ消費税率8%時代が目の前に迫ってきました。消費者の買いだめも始まっているようです。ところで最近、価格表記に「消費税別途」など、消費税抜となっているのを見かけるようになりました。

A:平成25年10月1日から平成29年3月31日までの限定措置として、消費税抜の価格表記が認められています。


Q:何年か前に、価格表記は税込になったのではなかったのでしょうか?

A:平成16年から不特定多数に対する価格表記、すなわち一般消費者に対する価格表記は税込に統一されました。事業者間は税抜でもOKです。


Q:それが期間限定で税抜もOKとなったのですか?

A:この4月から税率8%、来年10月から10%が予定されています。税込表記ですと、値札の付け替えが間に合わない、深夜営業の店では日付変更と同時に税率アップ分を値引き販売することになってしまうこともあり得ます。


Q:店によって税込、税抜がわからなくなりませんか?

A:あくまでも価格表記の原則は税込です。税抜は例外です。そこで限定措置の間、税抜表示であれば、精算の際、消費税を別途収受する旨の記載が必要となります。消費者に税込価格であると誤認させることを予防しなければなりません。


Q:近々、全ての店が税抜表記となるのでしょうか?

A:百貨店協会やチェーンストア協会加盟会社間でさえ、税抜を選択する会社もあれば、税込を選択する会社もあります。大手全社が税抜で統一すれば、殆どの企業が税抜となるのでしょうが、大手でさえ対応が違うので、中小企業も対応がバラバラとなるでしょう。繰り返しますが、あくまでも原則は税込です。税抜は期間限定の例外です。


Q:限定措置終了後の価格表記は全て税込に統一されるのですか?

A:税込表示は「不特定かつ多数の者に対する値札や広告などにおいて、あらかじめ価格を表示する場合」、すなわち一般消費者相手が対象であり、事業者間は対象外です。


Q:すると、我々経営士の報酬は税抜表記でOKですか?

A:一般消費者に対する報酬なら税込です。もっとも、一般消費者と取引することは稀かと思いますが。

Q:ありがとうございました。


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2014年02月11日

■■【税金Q&A】 法人地方税の税率

■■【税金Q&A】 法人地方税の税率

 税理士・経営士 谷澤 佳彦 氏

 日本経営士協会 理事・首都圏支部長


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◆  法人地方税の税率  ◆

 

Q:平成26年税制改正は自民党主導で順調に進んでいるようですね。景気対策の陰で法人の地方税に動きがあるようですが、どのようなものでしょうか?


A:法人が多く所在する都心は法人からの税収が豊かです。地方は人口減に加え法人も本社を都心に移転する傾向があり、ますます税収が厳しくなります。これを是正する税法改正が予定されています。


Q:具体的にはどうなりますか?


A:まず法人住民税です。法人税割という法人税額、すなわち利益に連動する部分の税率を引き下げます。現行は法人税額に対して17.3%です。これを12.9%に引き下げます。この税率は、都道府県民税と市町村民税を合わせた数字です。


Q:引き下げた部分の穴埋めはどうなりますか?


A:法人税額に対して4.4%相当額の地方法人税を創設します。この地方法人税は国税です。


Q:法人の負担する税額の総額に変動はありませんね?


A:ありません。この地方法人税、新たに国税の申告書を作成するのか、現行の法人税の申告書の一部に織り込むのかが、税制改正大綱からは見えません。


Q:この地方法人税が地方への分配金となるのですね?


A:そうです。平成26年10月1日以降に開始する事業年度から適用開始となります。一方、同時に事業税関係にも異動があります。


Q:どうなるのでしょうか?


A:事業税は都道府県民税です。平成20年10月1日から、税収が集中する都心の税金を地方に配分するための措置がとられました。事業税の税率を引き下げ、その引き下げた分に相当する地方法人特別税が創設されました。


Q:地方法人特別税は耳にすることがなかった気がしますが。


A:地方法人特別税は会計慣行では事業税と同等に扱われています。申告と納税先も旧来の都道府県のままです。


Q:地方法人特別税は一旦都道府県が収受、国が都心の収入を地方に配分していたのでしょうか?


A:そうです。事業税の税率については細かい軽減規定がありますので、基本的な税率についてお伝えします。


Q:お願いします。


A:平成20年9月までは所得、すなわち利益に対して9.6%でした。これが現在では、5.3%です。この事業税の81%相当額の地方法人特別税が課されています。トータルで以前の制度の9.6%とほぼ同じです。


Q:これがどうなりますか?


A:事業税率を6.7%に引き上げます。一方、地方法人特別税率を、事業税の43.2%に引き下げます。


Q:これもトータルで以前の制度の9.6%とほぼ同じとなりますね?都道府県は法人住民税の減収分を法人事業税で賄うということですね?


A:そうです。


Q:税収が都心に偏在する現状、地方行政の維持のため、国の舵取りの大変さがわかりました。ありがとうございました。


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2013年12月31日

■■【税金Q&A】 準備金

■■【税金Q&A】 準備金

 税理士・経営士 谷澤 佳彦 氏

 日本経営士協会 理事・首都圏支部長


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◆  準備金  ◆


Q:年末も近くなり、来年度の税制改正の話が聞こえてきます。その1つにベンチャー企業への投資を準備金制度で節税させるという話があります。準備金とは何でしょうか?


A:準備金は損金経理、すなわち経費処理により準備金を計上すれば、所定の限度額まで課税をしないというものです。


Q:資金準備が必要な気がしますが、いかがでしょうか?


A:資金準備は不要です。


Q:資金が動かないなら、決算書はどう反映されますか?


A:準備金計上額を経費として計上します。その相方は貸借対照表の負債の部に「XX準備金」として計上されます。これを損金経理の方法といいます。


Q:何か他の方法がありそうな表現ですが。


A:株主総会の剰余金処分による積立も可能です。この場合ですと、貸借対照表の純資産の部の利益剰余金の箇所に「XX準備金」として表記されます。


Q:剰余金処分ですと、経費計上しませんよね?そうすると節税にならないのではないでしょうか?


A:剰余金処分の場合、損益計算書を通りません。この場合、法人税の申告書にて調整をはかり、経費計上した方法と同じ結果になるようにします。


Q:どちらが会社にとって有利な方法ですか?


A:税負担はどちらの方法も同じです。剰余金処分であれば、経費計上をしなくて済みますが、計上したい準備金相当額以上の利益剰余金がない場合、適用できません。


 また、剰余金処分は株主総会の決議事項です。公認会計士の監査を受ける会社であれば決算書は株主への報告事項ですが、剰余金処分は株主総会の決議事項となり、否決される可能性も否めません。


 監査を受けない会社であれば、決算書も剰余金処分も株主総会の決議事項となり、否決される可能性はどちらも同じとなります。


Q:一旦計上した準備金ですが、取り崩すのはいつですか?


A:税法で準備金ごとに取り崩す時期を明示しており、それに従います。取り崩すべき時期に取り崩さない場合、取り崩したものとみなして税務計算を行います。


Q:取り崩すときの会計処理はどうなりますか?


A:損金経理、すなわち経費により計上した場合は利益計上します。剰余金処分により計上した場合は剰余金に戻し、損益に影響はありません。


Q:目にすることが少ない準備金の情報、ありがとうございました。


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2013年11月09日

■■【税金Q&A】 ネットと消費税

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 税理士・経営士 谷澤 佳彦 氏

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◆  ネットと消費税  ◆

 

Q:このところ消費税に関する報道記事を目にすることが多いのですが、今月はネットでの取引と消費税について教えて下さい。
 ネットで広告を出すと、その広告料は消費税の課税対象となるのですか?

A:課税対象となるものと、ならないものがあります。



Q:課税対象となる、なららない、の基準は何でしょうか?

A:サーバーが日本国内にあるか、国外にあるか、です。国内にあれば消費税の課税対象となり、国外にあれば課税対象外です。


Q:具体的に挙げていただけますか?

A:有名どころでは、アマゾンやグーグルは国外にサーバーを置くので消費税対象外、ヤフーは国内の会社が国内で運営を行っており、消費税の対象です。


Q:サーバーが国外にあるか、国内にあるかで、消費税の対象となる・ならないが分かれるなら、これから消費税率がアップすると国内にサーバーを置く広告会社は競争力を無くしませんか?

A:企業は消費税の担税者ではありません。簡単にいうと、企業は、支払った消費税を受け取った消費税から差引いて納付します。ですから一時的に消費税分の資金流出はあるものの、損益への影響はありません。消費税の担税者は我々個人です。


Q:ところで、国外からの広告は輸入扱いにならないのですか?

A:消費税法では、消費税の課税対象となる輸入は保税地域(税関と思って下さい)から貨物を引き取る場合です。ネット広告は保税地域を通りませんので、消費税の課税ができないのです。


Q:この消費税の課税可否は電子書籍においても同様ですね。国外サーバーから電子書籍を提供すると消費税の課税対象となりませんね?

A:現行の法律ではそうなります。
 電子書籍は殆どを我々消費者が購入すると思われます。消費者は同じものなら当然、消費税のかからない安いものを求めます。


Q:すると電子書籍業界においては、国内サーバーから提供する企業は価格競争力において不利になりますね?

A:そうです。
 そこで、国外にサーバーがあっても国内で電子書籍などを提供する企業に、日本の消費税を課税しようという動きがあります。


Q:国外にサーバーがあり、国内に営業所などがない会社から提供されるものに対して、日本はどう課税できるのですか?

A:日本で役務提供する国外企業に、日本で税務登録をさせて課税するようにしようとしていますが、具体的にはまだ検討段階です。


Q:今後の展開を見守ります。ありがとうございました。

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2013年09月29日

■■【経営コンサルタントの独り言】 法人住民税

■■【経営コンサルタントの独り言】 法人住民税

 税理士・経営士 谷澤 佳彦 氏

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◆  法人住民税  ◆

Q:今月は住民税について教えて下さい。
 地方展開を開始した東京の関与先から、東京より高い住民税を課されたという話を伺いました。どういうことでしょうか?

A:法人住民税は、利益に対して課す所得割という部分と、その会社の資本金と従業員の数に応じて課す均等割という部分があります。

Q:ではまず、所得割から教えて下さい。

A:所得割は、法人税に対して都道府県民税5%、市町村民税12.3%が原則です。この率は標準税率というものですが、財政の厳しい自治体には条例により各々6%、14.7%まで課すことができます。これを制限税率といいます。

Q:どれぐらいの自治体で標準税率を超えて課税しているのでしょうか?

A:手元資料によりますと、都道府県民税では静岡県以外の46都道府県、市町村民税は1,724市町村のうち、999市町村で、標準税率を超える税率を課しています。但し、中小法人には担税力を考慮して、標準税率としている自治体が多いようです。

Q;均等割はどうでしょうか?

A:都道府県民税は標準税率しかありません。標準税率といいますが、率でなく資本金と従業員数に応じた金額で示されています。市町村民税にも金額を示した標準税率があり、制限税率は条例により、標準税率の1.2倍まで課すことができます。

Q:今回相談を受けた関与先は、この標準税率を超える課税を行う所に事業展開をしたのですね?

A:そうですね。また、横浜市の場合、法人住民税均等割はそのままにして、均等割の9%相当額の「横浜みどり税」なる税を課しています。茨城県の場合、均等割に10%相当額の森林湖沼環境税を課しています。他の自治体でも同様のものを見受けることがあります。地方税は自治体によって違いがありますので、要注意です。

Q:ところで逆に、標準税率を下回る税を課す自治体はないでしょうか?

A:あります。私の知る限り、名古屋市は減税条例により標準税率を下回る課税が実施されています。

Q:地方税はややこしいものですね。

A:私ども税理士にとってもクセモノです。初めて申告書を提出する自治体については、必ずホームページで税率を確認しています。

Q:ありがとうございました。

 

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2013年09月21日

■■【税金Q&A】 住民税

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Q:今月は住民税について教えて下さい。
 地方展開を開始した東京の関与先から、東京より高い住民税を課されたという話を伺いました。どういうことでしょうか?

A:法人住民税は、利益に対して課す所得割という部分と、その会社の資本金と従業員の数に応じて課す均等割という部分があります。

Q:ではまず、所得割から教えて下さい。

A:所得割は、法人税に対して都道府県民税5%、市町村民税12.3%が原則です。この率は標準税率というものですが、財政の厳しい自治体には条例により各々6%、14.7%まで課すことができます。これを制限税率といいます。

Q:どれぐらいの自治体で標準税率を超えて課税しているのでしょうか?

A:手元資料によりますと、都道府県民税では静岡県以外の46都道府県、市町村民税は1,724市町村のうち、999市町村で、標準税率を超える税率を課しています。
 但し、中小法人には担税力を考慮して、標準税率としている自治体が多いようです。

Q;均等割はどうでしょうか?

A:都道府県民税は標準税率しかありません。標準税率といいますが、率でなく資本金と従業員数に応じた金額で示されています。市町村民税にも金額を示した標準税率があり、制限税率は条例により、標準税率の1.2倍まで課すことができます。

Q:今回相談を受けた関与先は、この標準税率を超える課税を行う所に事業展開をしたのですね?

A:そうですね。また、横浜市の場合、法人住民税均等割はそのままにして、均等割の9%相当額の「横浜みどり税」なる税を課しています。
 茨城県の場合、均等割に10%相当額の森林湖沼環境税を課しています。他の自治体でも同様のものを見受けることがあります。地方税は自治体によって違いがありますので、要注意です。

Q:ところで逆に、標準税率を下回る税を課す自治体はないでしょうか?

A:あります。私の知る限り、名古屋市は減税条例により標準税率を下回る課税が実施されています。

Q:地方税はややこしいものですね。

A:私ども税理士にとってもクセモノです。初めて申告書を提出する自治体については、必ずホームページで税率を確認しています。

Q:ありがとうございました。

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Posted by 経営士 at 21:28Comments(0)税金Q&A