2013年03月30日

■■【日本経済の読み方】 大型通商交渉と日本 6回連載

■■【日本経済の読み方】 大型通商交渉と日本 6回連載 近況のエッセンスをコンパクトにまとめました


◆ 大型通商交渉と日本 2/6 2013/03/31

 NHKのテレビ番組「時論公論」で百瀬好道解説委員が、TPPなど大型通商交渉に関して日本のあり方を解説していました。興味を覚えましたので、そのポイントをまとめてみました。

 第1回目 大型通商交渉の規模
 第2回目 大型通商交渉を理解する3つのポイント
 第3回目 TPP参加反対派の主張
 第4回目 ルール作成に間に合うのか
 第5回目 日本農業を守れるのか
 第6回目 
TPPのメリットと懸念

 前回は、「大型通商交渉の規模」というテーマで、その影響力の大きさについてお話しました。

◇ 大型通商交渉を理解する3つのポイント

 いずれも世界有数の経済大国や地域が相手の多国間交渉である点が、これまでにない大きな特徴です。日本にとって一連の交渉が持つ意味を、百瀬委員は3点指摘しています。

 第1に、韓国との競争上の不利を解消すること

 TPPと日EU交渉が、韓国との不平等とも言える通商関係を少しでも解消しようという取り組みです。たとえばアメリカ向けの自動車は、数年来に米韓では関税がゼロになります。

 二つ目は、世界をリードする新しい貿易ルール作りに加わること

 人やモノ、お金や情報が世界を駆け巡るようになり、ルール作りの重点は、従来の関税引き下げから投資の規則や知的財産権の保護といった領域に移りつつあります。

 三つ目は、アジア太平洋地域の成長と自由化を拡大すること

 TPPやASEAN+6、日中韓のFTAは、世界の成長センターと言えます。この地域で、自由化によってお互いの連携を強め、成長を加速させる枠組み作りの意味を持っています。

◆ 大型通商交渉と日本 1/6 2013/03/30

 NHKのテレビ番組「時論公論」で百瀬好道解説委員が、TPPなど大型通商交渉に関して日本のあり方を解説していました。興味を覚えましたので、そのポイントをまとめてみました。

◇ 大型通商交渉の規模

 「スケールが大きく複雑な通商交渉を同時並行的に進めていく時代を迎えています。大通商交渉時代」という表現をしていましたがTPP、FTAなどが盛んに関係国間で交渉中でしたり、これから交渉が始まろうとしたりという昨今を上手に表現していると言えます。

 日本、中国、韓国の3カ国では、FTA(自由貿易協定)の第1回目の交渉が始まりました。日本は、アメリカが主導するTPP(環太平洋パートナーシップ協定)への交渉参加も表明しています。

 いま日本が取り組む予定の大型交渉の対象地域における経済規模と世界全体のGDPに占める割合から見てみますと、その交渉の大きさを理解しやすいでしょう。

    TPP 約40%
    EU 約34%
    ASEAN 約30%
    日中韓 約20%

 上記は日中韓の20%は、ASEAN+6と重複します。また各数値に日本のGDPが重複しているので、これだけで100%を超えてしまいます。その点はこの数字を読む時に誤解のないようにお願いします。

◆ 黒田新日銀総裁に期待して良いのか? 2013/03/21

 白川氏が日銀総裁を辞任し、5年間は苦労の連続であったという挨拶を残して日銀を去って行きました。5年前、彼が日銀総裁就任するに当たり、ねじれ国会で総裁候補が否決され、副総裁候補であった白川氏が総裁に就任するという、スタートから多難でした。

 5年間、お疲れ様でした。

 NHKの「日銀新総裁の課題」という番組を見ていて、解説委員の山田氏に同感するところが多く、私の見方と同じように見ている人がいることに安堵しました。

 日銀の新しい総裁にアジア開発銀行の総裁・黒田東彦氏を起用することが国会で同意され、黒田総裁が誕生。

 アジア開発銀行総裁を日本人が独占してきて、日銀総裁のために任期半ばで引き抜くというやり方が良いのでしょうか?

 その黒田氏は、大蔵省の財務官の時代から日銀の金融政策を厳しく批判し続けて来ました。それに加えて、日銀批判の急先鋒だった経済学者の岩田規久男氏を副総裁に連れて、日銀に乗り込みます。

 日銀の金融政策を批判してきたのですが、白川氏のやり方が間違えていたというより、考え方の違いのように考えます。それを批判より批難のような言い方をしてきたのですから、キチンとした政策を、わかりやすく、またなぜこれまでの日銀金融政策が間違えていたのか、国民が納得できるように説明すべきです。

 たしかに、国会の質疑に対して、金融政策に対する黒田さんの考え方は話されましたが、上記の私の疑問に対してキチンと答えてくれたとは思えます。

 NHKの山田伸二解説委員は、「黒田さんの立場は、戦後、日本の占領政策を遂行するため厚木に降り立ったマッカーサーのようなもの」という表現をしています。

 白川氏が手堅く正統的だったのに対して、多少の副作用やリスクは恐れず、成果を目指して思い切った手を打とうというものです。

 黒田氏は市場に働きかけ、「インフレになると思って貰う事が大事だ」と、あたかもインフレが良いことのように言っています。

 しかし、私達は、景気が良くなり給料が上がると思えば、お金を使いますが、物価が上がりそうだというだけで財布のひもを緩めるとは思えません。

 物価を上げれば、どういう道筋で経済が立ち直るか、この説明は一向に聞かれません。私達に判りやすく、論理的に説明して欲しいものです。

 金融政策だけで、景気が良くなるはずはなく、それを日銀の責任として押しつけてきた黒田新総裁ですから、インフレの欠点をどのように回避しようとしているのか、金利高騰で国債利払いをどのように進めていくのか、私たちは不安なのです。

 まずは、不安解消をしていただきたい。

◆ デパート業界の動向 2013/03/18

 デパートの売上高がスーパーやコンビニに抜かれて20年ほどになるでしょうか、起死回生の努力の甲斐もなく、小売業界トップの座は奪還できていません。

 そのデパートがシニア世代、とりわけ団塊世代をターゲットにした商戦を展開し始めました。

 団塊世代の大量退職などで、今後、消費の拡大が見込まれるという考えのようです。シニア世代は、おしゃれにこだわるということで衣料品を中心に商品強化を図っています。

 高島屋はシニア向けの専用売り場を横浜店に新設、そごう・西武は、50代半ば以上の女性向けに、体型が細く見えるというパンツを自社開発するなどして、ファッション性をより重視したシニア向けの品ぞろえを充実させています。

 シニア世代といっても、今の70代とそれ未満とでは大きな違いがあります。前者は高額な川迫に年金を受給していますが、後者は小泉政権の時から年金が大幅にカットされています。

 これらの現状を考えますと、シニアを一律に見ることは戦略的には首を傾げざるを得ません。デパート業界がその地位奪還を目指すには、きめ細かなマーケティング戦略が必要です。

◆ 日本の電機・電子業界の変容 2013/03/17

 日本における電機・電子業界の変容が統計上にも出てきています。

 小型電子機器が韓国や中国などを相手に苦戦をしている日本メーカーですが、それが日本市場における「白物家電」にも現れてきています。

 白物家電とは、エアコンや冷蔵庫、洗濯機など、家庭における代表的な家電製品のことを指します。戦後の日本復興の象徴のように洗濯機や炊飯器が電化され、「電化製品」と呼ばれていました。

 国内での生産額は、平成25年度は1兆5953億円と、前年度の見込みよりも2.8%減少する見通しです。

 これは、国内での生産額が3年連続で前年度を下回ることになります。その契機となったのがリーマンショックの影響で世界的に家電製品の需要が落ち込んだ、平成21年度の水準まで減少することになります。

 三洋電機の冷蔵庫部門を買収した中国が、その技術を活かし、また低価格で日本市場にも進出してきています。

 一方、人件費などが安く、市場としても需要が伸びている新興国に、メーカー各社が生産拠点を移す動きが今後も続くでしょう。

 比較的売れ行きが堅調であった白物家電の分野では、雇用の場が失われ、地域経済に影響を与えることが多いに懸念されます。

◆ エネルギーは採掘から製造へ<3/3>
 2013/03/16

 これからは、「採掘エネルギー」や「転換エネルギー」だけではなく、「製造エネルギー」の時代です。化石燃料頼りの「採掘エネルギー」では、資源が枯渇してしまいますし、環境破壊などの問題も発生します。風力や太陽光に頼る「転換エネルギー」は、自然任せの部分があり、人間の思い通りには発電してくれません。

 農業や工業のように、エネルギーを作る時代なのです。

 前回はバイオ燃料を紹介しましたが、今回は自然の力を利用する方法をご紹介します。上述のように自然任せという欠点がありますが、利用法法次第では価値が上がります。

 日本は、自然豊かな国です。すなわち、日本は自然エネルギー大国になれるはずです。陸面積は世界の61位しかありませんが、海洋面積(排他的経済水域)は6位の海洋大国です。

 この海を使えば国産エネルギーの製造が可能です。洋上風力発電、潮流発電、温度差発電、波力発電など、取り組むべき課題はたくさんあります。

 また火山国ですので、温泉だけではもったいないです。地熱エネルギーは世界3位、森林率では、先進国3位で、バイオエネルギーの展開が期待できるのです。


 福島第一原発事故で、日本はなりふり構わず原油やLNGの輸入をせざるを得ません。どうしても足下を見られて、高値で買わざるを得ないのです。

 TPPでお米など食料面での安全保障と同様に国産エネルギーは、安全保障上も不可欠です。すなわちエネルギーを国産化できれば、外国から化石燃料を輸入するときの交渉力も上がることになります。

 また、これらの技術を発展させることにより世界への貢献も大きくなります。まだまだ緒に就いたばかりですが、国策としても力を入れ、民間も積極的に取り組めば、日本もエネルギー大国になれるのです。

◆ エネルギーは採掘から製造へ<2/3>
 2013/03/15

 昨今の、日本の国産エネルギーといいますと、次の二つが話題になっています。

 その一つは、秋田におけるシェールオイルで、一方は、日本周辺の海の底からメタンハイドレートです。これらの新しいエネルギーが発見され、注目されていることは、ご存知の通りです。

 しかし、これらは日本の需要を充分に満たせるだけの埋蔵量があるわけではありません。もともと日本には「採掘エネルギー」源が少ないのです。

 また、太陽光を始め再生可能エネルギーといわれる自然を頼りにする「転換エネルギー」は、不安定性という問題をはらんでいますので、基礎エネルギー源というよりは、補助的な色彩が強いといえます。もちろんその中には、発電や波動発電など、比較的安定した転換エネルギー源もありますので、ぜひそれらも推進して行くべきです。

 では、それでも不足するエネルギーを輸入だけに頼っていて良いのでしょうか。

 これからは、「採掘エネルギー」や「転換エネルギー」だけではなく、「製造エネルギー」の時代です。化石燃料頼りの「採掘エネルギー」では、資源が枯渇してしまいますし、環境破壊などの問題も発生します。風力や太陽光に頼る「転換エネルギー」は、自然任せの部分があり、人間の思い通りには発電してくれません。

 農業や工業のように、エネルギーを作れば良いのです。

 以前、メールマガジンでミドリムシの培養によるバイオ燃料についてご紹介をしたことがあります。

 東京大学でもミドリムシによるバイオ燃料を作る研究をしています。ミドリムシは、植物と動物の間の生物で、光合成で増え、増殖も早く、油を生産できるのです。

 ミドリムシは120種もの種類があります。全てのミドリムシというのではなく、その中の特定のミドリムシから、含有している油の種類や量、環境との関連を調べ、有力候補を絞り込んだ結果、ジェット燃料として使えるエネルギーが生成されることがわかったのです。

 ジェット機は内燃機関のため、自動車のような電化をしにくいのです。ジェット機を飛ばすためには、どうしても現在のようなジェット燃料が必要です。これは、温室効果ガスを出すので環境に悪い影響を与えてしまうのです。

 ミドリムシや藻類でつくるバイオ燃料は、増殖するとき二酸化炭素をどんどん吸収しますので、燃料に混ぜれば、温暖化対策になるのです。

 ミドリムシの研究は、まずは大規模培養の技術開発が必要ですが、2018年には実用化できる見透しです。これが実現しますと、全体燃料の10%を賄うことも可能です。

◆ エネルギーは採掘から製造へ<1/3>
 2013/03/14

 エネルギーといいますと、原発、LNG火力発電・・・というように化石燃料を利用することを思い浮かべる人も多いでしょう。また、近年は太陽光発電とか風力発電といった自然の力をエネルギーに変換する方法を連想するかもしれません。

 私は、前者を「採掘エネルギー」、後者を「転換エネルギー」と呼んでいます。ところが、NHK室山哲也解説委員の番組を見ていて「製造エネルギー」という造語を作りました。

 原発事故後、外国から輸入するエネルギーの調達が課題になり、LNGや原油の輸入金額と円安からエネルギーコストは日々上昇していると言えるほどになってきています。その結果「貿易立国」といわれていた日本は、構造的に「貿易赤字国」になってしまっていると言えます。

 その脱却方法としていろいろなエネルギー政策が求められています。

 では、日本国内にはエネルギー資源がないのでしょうか?

 日本では、原油を始めエネルギー資源は皆無と思っている人が多いと思います。

 私が小学生の時に、社会科の時間にわずかながら石油が江戸時代から新潟で産出されていたということを聞きました。日本は、石炭も採掘されていて、粉じん爆発などが話題になったこともありますが、今日では石炭というエネルギー資源も日本ではSL以外では忘れられています。

 近年では、秋田沖のシェールオイルが話題になりました。ただ、日本全国消費量の数日分の埋蔵量しかないと言うことで、一旦膨らんだ希望が急速に萎んでしまったことはまだ記憶に新しいです。

 それから、当ブログでは何度も紹介しているメタンハイドレートを忘れてはいけません。しかも、日本における消費量数十年分の資源が、日本近海にあるというのですから、大いに期待したいです。

 しかし、それでもエネルギー不足問題を解決できません。不足する分を輸入に頼っていて良いのでしょうか?

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