2013年07月05日

■■【経営コンサルタントの独り言】エネルギー地産地消のすすめ

■■【経営コンサルタントの独り言】  エネルギーの地産地消のすすめ
 
■ エネルギーの地産地消のすすめ

 東日本大震災・原発事故を受けて、自然エネルギーへの関心が高まっています。

 「自然エネルギー」といいますと、私たちは風力や太陽光を思い浮かべますが、当ブログでもこれまで、バイオマスや再生オイル、地熱や波浪などの発電を紹介してきました。

 原発の解説でおなじみのNHKの水野倫之解説委員が、地域特有のエネルギーを生かして発電する地産地消の 導入拡大に向けた様々な取り組みへの必要性を主張していますので、ご紹介します。

 

◆1 優れモノのはずである地熱発電所の新設なし

 自然エネルギーには、 全国的に導入が進む風力や太陽光に比べて、地域的な制限の多いバイオマスや地熱発電などもあります。一方で、拡大に向けて様々な取り組みが始まっています。

 地熱発電というのは、地下のマグマの力を使って電気を作る方法です。マグマで暖められて地下に溜まっているお湯に向けて井戸を掘って、パイプを通して蒸気を取り出し、その勢いでタービンを回して発電する方法です。すなわち地熱発電は火山のある地域特有の自然エネルギーで、「優れモノ」と言えます。

 平均的な地熱発電所では最大出力が25,000Kw、これは年間で6万世帯分の電気量に相当します。

 それでは、その優れモノの地熱発電所は、国内にどれくらいあるのでしょうか?

 日本は世界3位の地熱資源が確認されていますが、これは原発20基分に相当します。ところが発電所は17か所に留まり、あわせて52万kWです。まだ原発1基分にも満ちませんし、驚くなかれ、10年以上に渡って新規建設がなかったのです。

 
◆2 なぜ地熱発電が火山国日本で盛り上がらないか

 火山国日本で、なぜ地熱発電の新規開発が10年以上にわたってなかったのでしょうか?

 当然、いろいろな課題があるからですが、では、どのような課題があるのでしょうか?

 まずはコストの問題です。蒸気を取り出すだけですので、コストが問題となるとは予想していませんでした。

 大規模な地熱発電所となると200~300億円もかかります。

 幸いなことに、去年から固定価格買い取り制度が始まりました。地熱発電による電気は、1kWあたり27円~42円で電力会社が買い取ってくれることになりました。

 次の大きな問題として、地熱発電に適した場所です。地熱資源の8割が国立・国定公園の中にあり、ここでは開発の規制があります。

 去年、環境省が規制を緩和したことにより、今後は、条件付きながら開発が認められることになりました。

 このような条件も整備されてきて、地熱発電は20か所以上で建設が計画されています。

 しかし開発にはさらなる課題があるのです。


 
◆3 温泉街を発電所にして地産地消に成功

 地熱発電は、火山国であり、世界第3位の地熱資源国である日本では、今後見直され、新設が進むことがこれまでのことからわかってきました。しかし、まだその開発には課題があるのです。

 地熱発電に適した場所を想像してみてください。モクモクと立ち上がるゆけむりといえば、日本人なら「温泉」を想像するでしょう。すなわち地熱発電に適している場所は温泉の近くにあります。

 地熱発電に蒸気を取り出してしまうと温泉のお湯が減りますと、温泉関連の地元から反対の声が上がり、中には開発が中止になったケースもあります。

 長崎県雲仙市の小浜温泉は、江戸時代から続く湯治場として知られていますので、多くの読者が訪れていると思います。温泉街のいたるところで白い蒸気が見られます。

 この地に地熱発電の計画が持ち上がったのは2004年のことです。井戸の掘削が計画されたところ、源泉を持つ旅館の経営者らが猛反対をしました。

 温泉が出なくなってしまういうことが懸念されるからです。

 その後、事業者や大学、旅館組合が話し合いの場となる協議会を設立して、井戸を掘らずに温泉の湯をそのまま使う小規模な方式が提案され、2013年春から発電にこぎつけました。

 地熱発電所の経営も合同で行うことで、旅館の経営者たちも納得しました。

 源泉からは100度のお湯をとりだせますが、大規模な地熱発電を行うには温度が低すぎます。

 その対応策が練られました。発電所内に、低い温度ですぐに蒸発する液体を循環させ、温泉のお湯だけを利用することで気化する小規模な発電方式です。

 安定して発電設備1台当たり30kW前後、120世帯分の電力を賄う能力があります。 2014年からは、電力会社が電気を買い取る予定です。将来的には温泉街に源泉を持つすべての旅館に発電機を置いて温泉街の電気をすべてこの方式で賄うことを目指すそうです。

 これまでは、地熱発電といいますと大手の事業者が主体となり、それに対して地域住民が反対運動を起こすという構図でしたが、小浜温泉では小規模ながらも地産地消方式をとり、住民の間に「自分たちの発電所」という意識が持てたことが、問題解決に繋がったと言えます。


  
◆4 バイオマス発電

 地産地消の自然エネルギーとして注目されている、もう一つの方法が「バイオマス発電」です。

 バイオマス発電というのは、あまり聞き慣れない方式と思いませんか?

 「1600頭の牛を使います」と言いますと、思い当たるでしょう。

 日本一の酪農地帯と言われます十勝地方に、国内最大級の牧場がありまして、そこには全国から視察が殺到しているというのです。

 バイオマス発電には、牛の糞を利用します。

 牛の糞尿を空気の入らない容器に入れますと発酵してメタンガスが発生するのです。これを集めて、燃やし、発電をします。この方式で発電された電気は、臭いません!!!

 酪農家にとって厄介者だった糞尿がエネルギーになるのです。そのために、この牧場では4億円を投資し、発電施設を整備しました。

 小規模な酪農業者にとっては、この初期投資は大きいです。

 糞尿を使った発電では全国で初めてということで、注目を浴びています。

 2013年春からは、電力会社に電気を売り始め、年間8000万円の収入が見込まれています。さらに発電した後の糞尿は臭みがなくなり、肥料として畑にまいても苦情も無くなります。一石二鳥の発電方法と自画自賛をしています。

 しかし、良いことばかりではありません。

 
◆5 バイオマス発電の課題は克服できるか?

 すでにご紹介した酪農家の成功を知り、柳の下のドジョウを目論んだ酪農家が同様に発電装置を購入して売電しようとしました。ところが買い取りを拒否されてしまったのです。

 電気の買い取り制度が導入されてから、この十勝地方では、北海道以外の業者が相次いで太陽光発電を計画しました。そのために送電網の容量が一杯になってしまい、地元の牧場が売電から締め出しをくってしまったのです。

 糞尿は酪農家にとっては、毎日生産されるエネルギー源で、地産地消の安定電源となるはずです。

 地域の状況に即した送電網の整備により、地域の人が優先して使えるようにすべきです。そのために、電力の買い取り制度の仕組みを工夫して、地産地消の自然エネルギー拡大を支援すれば、票田として選挙にも有利になるのではないでしょうか。

 毎日複数本発信 

今日のブログ
今日は何の日
今日の出来事
今日の独断解説
必見経営情報



同じカテゴリー(環境・健康)の記事

※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。