2014年06月10日

■■【税金Q&A】 減価償却費

■■【税金Q&A】 減価償却費

 税理士・経営士 谷澤 佳彦 氏

 日本経営士協会 理事・首都圏支部長


 谷澤佳彦先生は谷澤佳彦税理士事務所の所長で、税理士業を中心にご活躍中です。

 また、最近は「日本経営士協会 首都圏支部長」として活躍なさっております。このシリーズでは税金について税理士として、ご活躍の谷澤佳彦先生、質問は経営士俵一史先生が致します。

 ※筆者詳細情報→ http://www.jmca.or.jp/meibo/pd/1065.htm?mag2


■ 減価償却費

Q:今月は減価償却費についての質問です。減価償却方法が見直されると聞いたのですが、どうなるのでしょうか?

A:中小企業は税務決算を組みます。従って、税務の話をします。政府税制調査会では、減価償却制度の見直しを4月に提示しました。

Q:どのような提示ですか?

A:減価償却方法を定額法に一本化するというものです。

Q:現在の税務では、減価償却方法が複数存在しますよね。

A:大きく分けて定額法と定率法です。

Q:大雑把にいって、どのような違いですか?

A:定額法は、毎期同じ金額を経費たる減価償却費として計上します。定率法は、取得から浅い年数の期間ほど減価償却費が大きく、期間が経過するにつれ、減価償却費は少なくなります。

Q:どちらが経営上、有利でしょうか?

A:一概には有利不利を判断できません。新聞などでは「設備投資を行ったため償却負担で赤字」という記事を見かけます。これは減価償却方法に定率法を採用したため、初期の減価償却費が大きくなるために起こる現象です。定額法であれば、このようなことは起こりません。

 一方、設備は古くなるほど故障等が起こり、修繕費が年々大きくなります。

 定額法であれば、減価償却費は毎期一定で修繕費の増加を吸収できません。

 定率法であれば、減価償却費が年々逓減しますので修繕費の増加を吸収できます。

Q:キャッシュフローではどうでしょうか?

A:設備導入に関するキャッシュフローでは、定額法と定率法による相違はありません。ただ、毎期の税負担という点では、定率法の方が導入当初は減価償却費を多くとることにより税負担が最初は少なくて済みます。その少なく済んだ税負担を次の投資に充てることが可能となります。

Q:では、なぜ、定額法に一本化を提言しているのでしょうか?

A:企業の国際競争力強化の観点から、法人税等の実効税率を引き下げることが経済界から言われています。税率を引き下げる=税収減です。この税収減を補うのが課税ベース拡大です。減価償却費を定率法から定額法に変更すれば、一時的に減価償却費が減少し課税ベースが広まります。

Q:減価償却方法変更は、減価償却費として先に経費計上するか、後に経費計上するかの違いであり、耐用年数期間を通してみると、経費計上できる総額に相違はありませんよね。
 ならば、課税ベース拡大は一時的なものではないでしょうか?

A:その通りです。ただ、税率を引き下げても、企業が国際競争力をつけて、利益が増加すれば、結果として、税率引き下げを企業利益が補ってくれます。

Q:税率を引き下げたなら、その後の政府は経済の舵取りが難しくなりますね。

 ありがとうございました。

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