2015年01月08日

■■【時代の読み方】 夢の燃料電池が現実に <2/2>

■■【時代の読み方】 夢の燃料電池が現実に <2/2> 2015/01/08

 時代の流れを時系列的に見ると、見えないものが見えてきます。NHKの放送や新聞・雑誌などを見て、お節介心から紹介しています。


独善解説

 

■ 夢の燃料電池が現実に <2/2> 2015/01/08



2020年の折ピック選手村が水素タウンになるというニュースが流れました。2015年1月は、自動車業界も画期的な年で、世界ではじめて、燃料電池車が市販されました。NHKの室山哲也解説委員のお話を中心に考えてみたいと思います。

 前回 

  ◇1 燃料電池車とは?

  ◇2 水素で走る原理は?

  ◇3 他のエコカーと、どこが違うのか?

4 燃料電池車FCVの課題



 では、FCVが抱える課題を見てみましょう。



 これまでFCVの課題として、下述のように3つの課題が挙げられてきました。



 まず、気になるのが、水素タンクを積んでいますので、危険はないかということが気になります。ところが、その課題は、「安全性の向上」をテーマにして研究が進み、タンク設計などで改良が進み、ほぼ解決できたと言います。



 むしろ、課題は、価格とインフラの問題のようです。



 今後、量産でどの程度安くなり、庶民の手に届くところにいたるか、受容と技術面の問題が考えられます。



 それを解決するには「インフラ整備」、すなわち水素スタンドが、少なくても主要道路に点在しませんと、ガス欠ならぬ水素欠で立ち往生してしまいます。



 インフラとしては、水素を「つくる」「運ぶ」「配る」(水素ステーション)という3つの段階があると言われています。



 現状では、水素ステーションは、少なく、建設中の水素ステーションも、45か所と少ないです。



 また、一つのステーションを作りますのに、ガソリンスタンドの5倍、すなわち4~5億円もかかります。水素ステーション建設のコストダウンが不可欠です。



 水素を、どのように作るかも今後の課題として残されています。



 水素発生源として、製鉄所などから出てくる副産物がありますが、製鉄所がたくさんあるわけでないですね。そうなりますと、「石油や天然ガス」「水」を分解して大量に作ることになります。それには電力が必要となりますので、分解効率を高めることが急務です。


 将来的には、風力や太陽光など自然エネルギーを利用して電気を作り、それを使って水を分解する方法も利用されるでしょう。また、そのようにしないと「究極のエコカー」というのは、社会全体から見たら「究極」とは言えないことになります。



5 燃料電池による水素社会とは?



 現在は、原油などの化石燃料に頼った「化石燃料社会」ですが、燃料電池の普及などにより「水素社会」へ変身することで、「低炭素社会」の実現に近づくと言えます。



 水素を使った交通や、水素発電、農業(肥料)への活用、また自宅などでも活用すれば、エネルギーの自立や災害に強い社会にもつながると期待されます。すなわちエネルギー海外依存度が低く抑えられ、化石燃料の輸入に頼る比率が少なくなり、安全保障上におきましても「足腰の強い国」に変身できる可能性があるのです。



 2025年には、現在のハイブリッド車と同じ値段になると言われていますし、2030年には、水素発電も一般的になります。2040年ころに、再生エネでの水素製造(完全CO2ゼロ)の実現が目指されています。



 国内市場規模も、2030年(1兆円)から、2050年(8兆円)になると期待されています。



 日本は、燃料電池の関連特許は、世界一であるのです。日本の技術の強みを生かした成長戦略でもあります。2020年の東京オリンピック、パラリンピックまでに水素自動車を普及させたり、水素タウンを利用したりすれば、日本の水素技術の高さを、世界にアピールするとことができます。



 有力な成長産業の一つとして、大いに期待したいです。 << 完 >>

■ 夢の燃料電池が現実に <1/2> 2015/01/07



2020年の折ピック選手村が水素タウンになるというニュースが流れました。2015年1月は、自動車業界も画期的な年で、世界ではじめて、燃料電池車が市販されました。NHKの室山哲也解説委員のお話を中心に考えてみたいと思います。



1 燃料電池車とは?



 燃料電池自動車は、FCV(fuel cell vehicle)といわれ、今後マスコミでしばしば見聞されることになるでしょう。水素で走り走行中は水しか排出しない「究極のエコカー」といわれています。



 2014年12月中旬に、それまではリースだけだった燃料電池車が、日本国内だけではなく、世界で初めて市販されることになりました。水素を空気の酸素と反応させて電気を作り、モーターを回して走る自動車です。



 CO2ゼロの「究極のエコカー」といわれますことから、2015年を「水素元年」と呼ぶ人もいます。燃料電池は、自動車のみならず、水素社会を作り出す、大きなインパクトを持っているのです。FCVは、水素社会実現の走りと言える完成品です。



2 水素で走る原理は?



 水を電気分解しましと水素と酸素に分解されることは、子供の頃学びました。その逆の反応が燃料電池内で起こっています。すなわち、水素Hと酸素Oが反応し、電気+水+熱となります。



 ガソリン車などのレシプロエンジンでは、二酸化炭素CO2が排出されますが、水素電池では、それがないので「エコロジー」、すなわち「究極のエコカー」なのです。



 水素は爆発するという怖いイメージを私は持っていましたが、何と水素は宇宙空間の全体質量の7割まで達するポピュラーな物質なのだそうです。有機化合物、化石燃料、水などの中に存在するのですから、地球上、どこにでもあると言えます。



 すなわち燃料電池は、水素を発生させてエネルギーとして利用するための物なのです。



3 他のエコカーと、どこが違うのか?



 エコカーといいますとEV(electric car)、すなわち電気自動車や、ハイブリッドカーを連想します。



 「モーターで走り、走行中に二酸化炭素を出さない」ということでは、FCVもEVと変わりません。しかしEV電気を外から充電する必要があります。それに対してFCVは、自分が搭載している燃料電池で水素を発生し、それを使って車の中で発電します。



 燃料電池車のほうが、「走行距離が長い」「充填時間が短い」「電力が大きい」という利点があります。ただし、価格が高いのが最大の難点の一つです。 << 明日へ続く >>

■ リニア新幹線への期待と課題 2015/01/01



 1964年東京オリンピックの年に、日本人の期待を一手に集めたのが「夢の新幹線」ともいわれた今日の東海道新幹線の開業です。それから50年後の2014年12月17日に、最高時速500キロで、東京の品川と名古屋の間を40分で結ぶリニア中央新幹線が着工されました。開業は、13年後の2027年を目指しています。

 世界に例のない技術が導入されていますリニア中央新幹線ですが、期待、疑問、不安が入り混じっているのではないでしょうか。

 NHKの中村幸司解説委員のお話を中心にまとめてみました。



◇1 リニア新幹線に関するQ&A



 リニア中央新幹線は、品川から、南アルプスを貫いて、名古屋まで建設されます。工事費は5兆5235億円と見込まれ、全額をJR東海が自己資金でまかなうと言いますので、その時点で「大丈夫?」と疑問に思った人もいらっしゃるでしょう。



 近年、様変わりをしている品川駅のリニア中央新幹線のホームは、東海道新幹線の品川駅の真下、地下40メートルに建設されます。

 まず、懸念されるのが深度の大きさです。乗り換えに不便があるのではないかと懸念されますが、東京には、この程度の深さを走る地下鉄もあり、さほど懸念することはなさそうです。



 次に荷になるのが強力な超電導磁石を電磁波の影響です。列車に乗り込む時は、乗客や電子機器等が磁石の影響を受けにくくする「磁気シールド」で囲まれた特殊なゲートを通るそうです。客室も磁気シールドで囲まれています。



 安全性も気になりますね。



 リニア新幹線の研究は、いまから52年前、東海道新幹線開業前の昭和37年に始まったといいますから、その地道な努力には驚きです。



 宮崎の実験線では、超電導状態を安定して保つ磁石の研究や人を乗せる車両の開発など実用化に向けた実験が続けられたことは、まだ記憶にあります。宮崎で実験している当時は、夢のまた夢と言っても過言ではありません。



 その積み上げが、今日の新幹線での経験にプラスされ、安全性は高いようです。



 総工費が5.5兆円という大きな予算が組まれるのですから、それが運賃などに影響して、高額な支払が求められることも気になりませんか?ところが、東海道新幹線の指定席料金に700円上乗せした金額と言いますから、驚いたのは私だけではないでしょう。



 全席が指定であることはもちろんで、1編成で、およそ1000人の乗客を運ぶことができます。品川駅を発車してから2分ほどで、時速500キロに達します。ほとんどがトンネルの中を通るため、富士山ですら見られるのは一瞬だそうで、景色を楽しむローカル列車の風情はなさそうです。




◇2 リニア新幹線の効果と課題



 開業によるさまざまな効果も期待されています。



 品川・名古屋間40分というのは、費用を考えず、時間だけのことを考えますと名古屋が東京の通勤圏内に入ることになります。その経済効果を高く評価するエコノミストも多いようです。民間のシンクタンクの試算によりますと、移動時間の短縮などに伴う経済効果は、年間およそ3700億円にのぼるとされています。



 現在の東海道新幹線では、「のぞみ」の運転本数が減り、「ひかり」や各駅停車の「こだま」中心のダイヤに変更されます。こだまやひかりに乗ったことのある人はご存知のように、現状では通過待ちが非常に多いです。それが少なくなるため、静岡など途中駅までの所要時間が短縮されるようです。



 リニア新幹線の実現に、期待の声は大きく、2020年のオリンピックに間に合わせるようにと言う声さえ上がりました。しかし、安全性を重視した準備や工期の短縮は不可能で、それはきっぱりと断られたそうです。



 とはいえ、巨大プロジェクトだけに「環境への影響」、「工事費」の問題、「安全性の向上」など、課題は山積のはずです。



 まず「環境問題」を挙げられます。



 リニア新幹線は、全体の86%がトンネルです。トンネル部分は、沿線への騒音は抑えられますが、一方で環境への影響が懸念されます。



 自然景観への影響もありますが、忘れてならないのが工事残土の問題です。

 青函トンネルの時もそうでしたが、実際に掘られるトンネル本坑、非常口に通じるトンネル、工事で出た土砂を運ぶための「工事用トンネル」、地盤の調査などの「先進坑」と、いろいろなトンネルが必要です。



 このようなトンネルの掘削で発生する土砂の量は、品川・名古屋間全体で、5680万立方メートル、東京ドームおよそ45杯分です。このうち、具体的に処分先が決まっているのは、15%にとどまっています。



 使い道がない土砂については、山間部に置き場を作って土に植林することも検討されているようですが、植林しても周辺の山と同じような深い緑になるまでには、数十年の年月がかかります。



 さらに、地下の水の流れが変わることによる影響も懸念されています。



 例えば、大井川については、地下の水がトンネルの中に浸み出すため、水の流れる量が1秒あたり12トンだったのが、10トン弱にまで減ると推測されているようです。



 地下の水が少なくなって、湧水や小さな支流の水が減るということも想定されます。その結果、植物が生息できなくなったり、動物や人間の生活への影響など、予測不可能な問題が発生したりしそうです。


◇3 総工費の見積は予算通りに行くのか?



 公共工事でつきものなのは、計画を国会で通すために、総工費の見積が甘い結果、後に予算不足が起こるのがあたり前という、これまでの事実です。その一つの例が、すでに大幅な見直しが迫られている、2020年のオリンピック予算です。



 2045年に大阪まで延伸した際の品川-大阪間の工事費は、合計9兆300億円とされています。それをJR東海の自己資金だけでまかなおうというのです。



 JR東海は、これだけの投資効果はあるとしています。そうでなくても建設業関連の人手不足や資材高騰などから工事費の予想以上の高騰が懸念されますし、今後の人口減少を考えますと、需要が予測通りにあるのでしょうか?



 万一、トンネル内で異常が発生したときにも避難対策だけではなく、そのための諸設備や運用の仕組み作りもキチンと算定されているのでしょうか。素人判断ですが、安全目から、想定外の費用が大きく出て来るような気がします。



 日本の大動脈という東京圏と大阪圏をリニア中央新幹線と東海道新幹線で、二重にしておくことは、リスク管理上、不可欠と思います。



 一方、リニア中央新幹線はビジネスや生活を大きく変える可能性を持っています。品川から大阪まで67分で結ばれるという便利さは、そうでなくても懸念されています東京一極集中問題を加速させはしないのでしょうか。



 品川・名古屋間40分というのは、いまの「のぞみ」に比べて、約50分の短縮になります。[半分以下の時間」と考える人もいるでしょうし、「狭い日本、急いで駆け抜けて何になる」という人も出るのではないでしょうか。

 


 
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