2015年09月08日

■■【心de経営】 実践編 22 学而第1-4 4 吾は日に三たび吾が身を省みる

■■【心de経営】 実践編 22 学而第1-4 4 吾は日に三たび吾が身を省みる


 【心de経営】は、「経営は心deするもの」という意味になります。それとともにフランス語の前置詞であります「de(英語のof)」を活かしますと、「経営の心」すなわち、経営管理として、あるいは経営コンサルタントとして、企業経営をどの様にすべきか、経営の真髄を、筆者の体験を通じて、毎月第二火曜日12時に発信いたします。

【筆者紹介】 特定非営利活動法人日本経営士協会理事長 藤原 久子 氏

 北海道札幌市出身、平成元年7月に財務の記帳代行業務並びに経理事務員の人材派遣業の会社を設立し代表取締役として現在に至っています。
 平素、自社において、従業員満足・顧客満足・地域貢献企業を目指し、ワーク・ライフ・バランスを重視した経営に心がけています。
 一方、自社における経験をもとに、経営コンサルタントとしての専門知識を活用しながら、客観的に現状を認識し、問題発見・解決策の提案や業務改善案、経営戦略への提言など、企業の様々な問題の共有を図りながらアドバイスをしています。

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 本メルマガで【心で経営】の新シリーズが始まり数か月が経過しました。混濁した世の中を生き抜く術・視点は何処にあるのかを私なりにお伝えする事ができればと願いつつ、企業経営の心髄に論語の精神が重なっている事に気付かされ、渋沢栄一に共鳴し、論語が私の愛読書の一つとなっています。

 中国、戦国時代の思想書「大学」におきましては、治国平天下(ちこくへいてんか:国を治め天下を平和に保つこと)の方が主体でありますが、私の論語への想いは、個人的規範が主体になっています。

 そのことから自らの修養の為に論語を学んでゆくのが最適であると考えたのです。何時の時代にあっても、また時代の変化の中でも、いわゆる不倒翁(「起き上がりこぼし」と同意として行き抜いて人間の持っていた、自らの修養と経験に基づくものが、企業経営をしてゆく上で極めて重要であると確信しています。

 ここでご紹介する渋沢栄一の生涯は『論語』との出会いにあります。「明治維新を作った徳川時代的教養とはどういうものであったのでしょうか。徳川時代は、一般的な民においても職字率が非常に高く、当時の世界的水準ではトップではなかったかと言われております。『雨夜譚』をみますと、6歳のときに父の市郎右衛門から教育を受けていたとあります。

 その前の5歳のときから既に文章を読む教養を教えられていて、学ぶという一番基礎を幼児に叩き込まれた渋沢栄一が一番親しんだのは、論語でした。7歳の頃に読み始め亡くなるまで読み続けていた渋沢栄一は、84才から2年余かけて膨大な『論語講義』を遺しました。この点ではまさに不易(ふえき:いつまでも変わらないこと)です。

 

■ 渋沢栄一の論語講義 : 学而第1-4 4

  吾は日に三たび吾が身を省みる

 

■【読み】

吾(われ)は日に三(み)たび吾(わ)が身(み)を省(かえり)みる

曾子曰く、吾は日に三たび吾が身を省みる。人の為に謀(はか)りて忠(ちゅう)ならざるか。朋友(ほうゆう)と交わりて信ならざるか。習わざるを伝うるか。

 

■【口語訳】

曾子曰く、自分は毎日三度、自分のしたことを反省する。人の相談に乗ってあげて、十分誠意を尽くしたか。友人と話し合うとき、いい加減なことを言わなかったか。弟子たちに未熟な知識を教えなかつたか。

 

■【解説に出てくるキーワード】

◇『雨夜譚』(うやものがたり)--- 渋沢栄一自伝 ---

激動の幕末維新を背景に渋沢栄一が疾風怒濤の青春を語った自伝。尊攘倒幕の志士、徳川家家臣、明治政府官僚、在野実業家と転身を重ねるが、いつでも現実主
義を貫いた生き方をしてきたことが綴られている。明治20年刊行。

◇「三省」(さんせい)

「日に三たび吾が身を省みる」。この言葉から「三省」という。渋沢栄一の『論語講義』では、三省、つまり「毎日三度、自分のした事を反省する」の意味を、
三度ではなく、しばしばの意なりと解釈している。

                参考文献 論語と渋沢栄一 プレジデント社

【コメント】

 曾子は、孔子の門人で、孔子より46歳年下で最年少の弟子でした。孔子から親しく教えを受けたのはわずか数年ですが、孔子を尊敬して忠実に仕え、後世に「孔子の道」を伝えた第一人者です。

 この省では、日々の社会生活の中で、自分の信念に忠実に人のために誠意を尽くし、真心を注いでいる自分でありましょうか。ここではいかに人を大切にしている自分であるかを特に省みている様に諭しています。人として正しい道を歩む為に反省は欠かせないということであります。

 次に友人との交わりに於いても信頼を得られる様に、言行一致に努めているでしょうか。

 また、自らの学びを実践する中で会得したものを他人に誠実に伝えているでしょうか。

 この三省の実践こそがいつの世も人道に繋がるのではないでしょうか。

 企業経営・組織運営をしている方達のみならず全ての目指す人間像になるためには、謙虚な気持ちで日常を省みることの重要性を改めて感じます。その上で多くの学びから人道を窮め、コンサルタントの視点でクライアント様をはじめ、関係者様への温かい支援が出来ます様にと研鑚を重ねる事の重要性を感じます。

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