2017年11月17日

■■【心de経営】 実践編 27 渋沢栄一の論語講義 泰伯第八-六 190

■■【心de経営】 実践編 27 渋沢栄一の論語講義 泰伯第八-六 190



 【心de経営】は、「経営は心deするもの」という意味になります。それとともにフランス語の前置詞であります「de(英語のof)」を活かしますと、「経営の心」すなわち、経営管理として、あるいは経営コンサルタントとして、企業経営をどの様にすべきか、経営の真髄を、筆者の体験を通じて、毎月第二火曜日12時に発信いたします。


【筆者紹介】 特定非営利活動法人日本経営士協会理事長 藤原 久子 氏


 北海道札幌市出身、平成元年7月に財務の記帳代行業務並びに経理事務員の人材派遣業の会社を設立し代表取締役として現在に至っています。
 平素、自社において、従業員満足・顧客満足・地域貢献企業を目指し、ワーク・ライフ・バランスを重視した経営に心がけています。
 一方、自社における経験をもとに、経営コンサルタントとしての専門知識を活用しながら、客観的に現状を認識し、問題発見・解決策の提案や業務改善案、経営戦略への提言など、企業の様々な問題の共有を図りながらアドバイスをしています。


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 本メルマガで【心で経営】の新シリーズが始まり数か月が経過しました。混濁した世の中を生き抜く術・視点は何処にあるのかを私なりにお伝えする事ができればと願いつつ、企業経営の心髄に論語の精神が重なっている事に気付かされ、渋沢栄一に共鳴し、論語が私の愛読書の一つとなっています。


 中国、戦国時代の思想書「大学」におきましては、治国平天下(ちこくへいてんか:国を治め天下を平和に保つこと)の方が主体でありますが、私の論語への想いは、個人的規範が主体になっています。


 そのことから自らの修養の為に論語を学んでゆくのが最適であると考えたのです。何時の時代にあっても、また時代の変化の中でも、いわゆる不倒翁(「起き上がりこぼし」と同意として行き抜いて人間の持っていた、自らの修養と経験に基づくものが、企業経営をしてゆく上で極めて重要であると確信しています。


 ここでご紹介する渋沢栄一の生涯は『論語』との出会いにあります。「明治維新を作った徳川時代的教養とはどういうものであったのでしょうか。徳川時代は、一般的な民においても職字率が非常に高く、当時の世界的水準ではトップではなかったかと言われております。『雨夜譚』をみますと、6歳のときに父の市郎右衛門から教育を受けていたとあります。


 その前の5歳のときから既に文章を読む教養を教えられていて、学ぶという一番基礎を幼児に叩き込まれた渋沢栄一が一番親しんだのは、論語でした。7歳の頃に読み始め亡くなるまで読み続けていた渋沢栄一は、84才から2年余かけて膨大な『論語講義』を遺しました。この点ではまさに不易(ふえき:いつまでも変わらないこと)です。



■ 渋沢栄一の論語講義 :   泰伯第八-六 190

   以て六尺の孤を託すべく、以て百里の命を寄すべし。

   大節に臨んで奪うべからざるなり。

   君子人か、君子人なり。


■【読み】

以(もっ)て六尺(りくせき)の孤(こ)を託(かく)すべく、以て百里(ひゃくり)の命(めい)を寄(よ)すべし大節に臨んで奪うべからざるなり。君子人か、君子人なり。

「六尺の孤」 15歳以下の幼少の者、幼少の君
「百里の命」 百里を治める大国の政令。すなわち一国の政治
「大節」    国家の大事変。あるいは生死存亡に関する大事。
「奪う」    志を奪う


【口語訳】

曾子曰く、安心して未成年の孤児の君主を預けられ、一国の政治を任されて疑われない。重大な瀬戸際に立たされた時も日頃の信念を変えない。そういう人があったら、才徳を兼備した君子人と言えようか。確かに君子人だ。


【解説に出て来るキーワード】

 慶喜の末弟の(徳川)昭武の随員としてフランスへ渋沢栄一は、徳川昭武に随行したとき「以(もっ)て六尺(りくせき)の孤(こ)を託(かく)すべく、以て百里(ひゃくり)の命(めい)を寄(よ)すべし」との心構えて臨んでいたと『論語講義』で述懐している。


 フランスに着いてから幾何もなく、日本には慶喜公がいよいよ大政を奉還せられ、天朝ご親政となり、民部公子随行者の大半は呼び返されたので、偶然にも余一人が公子の万般のお世話をせねばならぬことになった。ここにおいて六尺の孤をたくされたような気分でその命を全うすることに努めたのである。

            参考文献 論語と渋沢栄一 プレジデント社

【コメント】

「”幼少の君主に全てを委ねることもできれば、諸侯の政治を任せることもでき、そして大事にあたっては確固たる信念・節操を持ち続けることができます。”その様な人こそ真の君子といえる人です」とここでは説いております。つまり信頼を得られる様に人格を磨くこと、その為に努力をすることが大切だと申しています。

 また孔子の弟子である子張は、理想の人物像を「士は危うきを見て命を致し、得るをみては義を思い、祭りには敬を思い、喪には哀を思う、其れ可ならんのみ」と語っております。これは「立派な人とは、人のピンチに出くわせば命を投げ出し、利益をみてもその前に道義を考え、祭りではうやまうことを考え、葬儀では悲しむ人のことだ」という意味です。

 常に利益よりも道義を考え、いざという時には自分を犠牲する覚悟のもとでその命を全うすることに努めたという、心を緊張せしめたものは道徳の心髄を曲げることなく、誰からも信用される情の深い人間でありたいと思うのです。その上で私達コンサルタントは、とくに信頼関係を構築することが重要です。人としての資質を磨き共に成長していく事が大切であると思うのです。

 日本経営士協会のある会員の言葉に、「老若男女を問わず、環境も関係なく、自分自身が変わろうとする強い意志があれば、次第に変わってゆけるものだ」ということがありました。その実現は、努力があってこそ素晴らしい人間形成へと結びつくことに繋がると思います。誰からも信頼され、尊敬され、物事を安心して委ねることができる人間になりたいものです。

「心で経営」をするにあたって、クライアント様の成長を願うのですが、そこには、誠実で暖かい人間性が求められます。

「宇宙で育てた百日草が、60日で花が咲いた!」と報じられました。現在国際宇宙ステーション(ISS)で長期滞在実験をおこなっている米国宇宙局に所属します飛行士の発表によりますと、2016年1月16日、太陽の光が届かない宇宙で、初めて花が咲いたという報告です。

 2015年11月16日に百日草の種を植え、植物生育の為のLED照明をあてて、水や肥料を与えたりして成長を見守りました。途中で枯れそうになったり、カビが生えたりすることもありしましたが、丁寧な管理のお蔭で、危機を乗り越え1月12日につぼみが膨らみ始め、見事にオレンジ色の一輪が咲いた様子を、私は通勤途上のFMラジオで知らされました。

“宇宙の新しい生命の誕生”です。途中の困難を乗り越え、諦めませんでしたからこそ、美しい花を咲かすことができたのです。このことは何事にも通じることですが、このデータが活かされ、将来的にはISSでのトマト栽培に結びつくようです。

 私達も日々、学び、成長し、それらを蓄積してゆく中で、社会貢献に繋がるような支援をして参りたいと願うものです。




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