2011年06月07日

■■連載小説 経営コンサルタント竹根好助の先見思考経営 36

■■連載小説 経営コンサルタント竹根好助の先見思考経営 36

 

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

 

【本書の読み方】 脚注参照

 ブログ発行の不手際により、一部の原稿が重複していることがあります。

 

■■ 3 再会 4 通算36

 

【回想2】

 

 1980年代、気が進まないまま幸は印刷関連の講演会に参加した。その席で「タケネ」という言葉にハッとした。

 

――まさか、あの竹根さんではあるまい。あの人は、商社のエリートコースに乗って、バリバリと仕事をしているはずで、今頃は部長さんにでもなっているだろう。銀行マンと言っても通るような雰囲気の人だったので、まさか経営コンサルタントになどにはなっていないだろう。あの人は、経営コンサルタントというタイプではない。経営コンサルタントというのは、どちらかというと詐欺師的なイメージがあり、あのまじめそうな竹根さんのタイプではない。でも、あの竹根さんの兄弟か親戚か何かかもしれない。確か、兄弟はいないと言っていたはずだし・・・――

 

 大きな拍手と共に、講師が登壇してきた。

 

――ありゃ!あの竹根さんだ。まさか、経営コンサルタントになって、こんなところで講演をするほど出世しているとは・・・――

 

 ゆっくりとした口調で講演が始まり、幸は、十数年ほど前に世話になった竹根のことが思い出された。

 

――どちらかというと口数も少なく、経営コンサルタントというタイプではなかった。しかし、相手のことを親身になって考えてくれる、まじめな人だった――

 

 三大印刷会社など一部では本格化しつつあったオフセット印刷であるが、まだまだ活版が主流であった。オフセットでは、活字のシャープさは出せないから活版印刷は続いており、オフセットは安物の印刷物向きと信じていた。これは、幸だけではなく、大半の印刷出版会社がそう考えていた。

 

 ところが、竹根の講演は、活字は消えてしまうというのである。それだけではなく、ようやく一般的になってきた写植業者や版下業者、製版業者までが今までと同じことをやっていては生き残れないという。

 

――あの温和しそうな竹根さんが、これほど過激とも思えることを言うのにはきっとその裏付けがあるのだろう――

 

 『これからは、デジタルの時代である』というのである。すでにデジタルの時代に入ってきていて、写植機も電算写植機に置き換わるために、ミスの訂正がやりやすくなり、写植工程は効率化されてきている。線画は版下作成機で作成できるので、今までのような熟練工は不要になってきた。

 

 カラー写真の色分解は、スキャナーで四色のフィルム作成が進められていくが、これからはレイアウトスキャナーが主流となり、文字や線画などとの集版作業もできるようになるという。

 

■■ 脚注

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。

 ブログ発行の不手際により、一部の原稿が重複していることがあるかも知れませんので、ご容赦ください。

 

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