2011年07月11日

■■愛子という女性 小説 コンサルタントの先見思考経営 55

■■愛子という女性 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の先見思考経営 55

 

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

 

【本書の読み方】 脚注参照

 ブログ発行の不手際により、一部の原稿が重複していることがあります。

 

■5 ビジネスドックとの出会い 5 通算55

 

 「ビジネスドック」の説明を受けるために印刷会社ラッキーの幸社長は、経営コンサルタント竹根好助の訪問を受けた。竹根と愛子の初めての出会いである。

 

【回想2 1980年代】 

 

「先生、こちらは私の秘書を永年やってくれている牧神愛子です」

 

「牧神さんですか。竹根です」

 

「先日は、ご挨拶もせず失礼しました。牧神愛子と申します」

 

「愛子さんは、先生が今日おいでになるというので、わざわざ神楽坂まで行ってそのお茶と湯飲み茶碗を買ってきたのです」

 

「エッ!私のためにですか?わざわざ?」

 

「わざわざということでもないのですが、会社の帰りに気晴らしに神楽坂を回っただけです。そのときに、この茶碗が先生にぴったりのように見えたのです。先生がこれからずーっと私どもの会社に来てくださるとお聞きしていたので衝動買いをしてしまいました」

 

 愛子は「ずーっと」という部分を強調した。

 

「そうですか。ありがとうございます」

 

 座っていた竹根は、立って深々と頭を下げた。

 

「あら、先生に頭を下げられたりして、私・・・こちらこそ、よろしくお願いします。その茶碗が先生のご趣味に合いますか心配です」

 

 牧神は、しどろもどろである。

 

「いえいえ、気に入りました。これは萩焼ですか?」

 

「ええ、そのように表示されていました。お気に召しませんか?」

 

「それどころか、大変気に入りました。先般、久しぶりに家内を連れて山口に行ってきました。そのときに萩にも寄り、記念に夫婦茶碗を買ってきたのです」

 

「まあ、ご夫婦で仲がおよろしいこと」

 

「萩焼は、使い始める前に目締めをしないと水漏れをしてしまいますよね。この茶碗もそうしてくださったのですね」

 

「自宅で、念のため今朝まで三日間ほど、お米のとぎ汁に浸しておきました」

 

「そうですか、お心遣いをありがとうございます」

 

 竹根は、何ごとも表だけを見るのではなく、見えないところでの心遣いを非常に高く買っている。

 

「牧神さん、この華はあなたが生けたのでしょうか?」

 

「ええ、お恥ずかしいです」

 

 茶を一すすりする。

 

「私はお華のことはわかりませんが、牧神さんのお人柄が滲み出ているように感じました」

 

「あら、私は道ばたに咲く寂しい女という意味ですか?」

 

「いやいや、大和撫子、控えめでいながら芯はしっかりしている・・・私のあこがれのタイプです」

 

「おや、先生、聞き捨てならないですね」

 

 幸が割り込んだ。アメリカ出張の折りに、竹根の妻の人柄などを聞いていた幸は、愛子との類似点があると思った。二人の関係が発展するのではないかと期待しているだけに、この発言でいよいよ進展してきたと確信した。

 

「あれ、社長、あなたは、まだそこにいたのですか」

 

「それはひどい」

 

 そのように言いながらも幸は二人がいいムードにいることにニンマリした。

 

 どちらともなく笑い始めたので、幸も加わった。三人は大笑い。それを潮時に牧神は下がった。

 

< 次回に続く お楽しみに >

 

■■ 脚注

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。

 ブログ発行の不手際により、一部の原稿が重複していることがあるかも知れませんので、ご容赦ください。

 

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