2011年08月09日

■■課題に取り組む取締役 小説竹根好助の先見思考経営73

■■課題に取り組む取締役 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.73

 

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

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【本書の読み方】 脚注参照

 

■7 ビジネスドック体験 6 通算73回 課題に取り組む取締役

 

 印刷会社であるラッキーの社長である幸と竹根は靖国神社境内を散策しながら、二人が再会した1980年代のことを思い出している。

 ラッキー取締役を対象とした取締役研修は、ビジネスドックという竹根が開発した思考ツールを使いながら進められる。まずは、戸惑いの中、ブレインストーミングから始まった。

 ブレインストーミングに馴れていない5人は、なかなかアイディアも意見も出てこない。取締役の高齢化も気になる。

 竹根から、幸社長に「経営理念構築」という宿題が出された。

 

【回想2 1980年代】 

 

 不満のざわめきが起こった。竹根は澄ました顔でいる。

 

 荻野には幸と先に食事を取らせ、途中で竹根と替わることになった。ロビーには他社の研修者らしい人がうろうろとしていて、先ほどの静かさはどこかに押しやられてしまった。ロビーの窓越しに見える芝も心なし澱んで見える。

 

 グループ討議の時には、竹根は研修室に残された受講者の様子を時々うかがうようにしている。研修の場ではいつもそのようにしている。今回も研修室に近づき、ドアをノックして入ると、やや興奮気味の声がピタッとやんだ。金山と茂手木は他の座った三人に対峙するように向き合った形で立っている。先ほどまでの友好的になりかけていた空気とはがらりと変わって、冷たい視線が竹根に注がれた。竹根はそのような雰囲気になることを計算済みのようにどこ吹く風で、五人がいるところに近づいた。

 

「どうでしょうか、どのように進めるか、方針は決まりましたか」

 

 竹根の呼びかけを無視するように無言の時間があった。大松田の声が、凍りついた空気の中を暖かく走った。

 

「先生がおっしゃるように、まずいつ昼飯にするかから決めよう」

 

「先に昼飯にした方が、残りの時間を有効に使えるのではないか?」

 

 金山の発言に茂手木が同意をしたが、大松田が異を唱えた。

 

「メシより、まず作業をやってしまった方が、あとでゆっくりと食えるのじゃないかね」

 それまで無言でいた、五五歳と最若年の刷増が口を開いた。

 

「まず、この作業をどのように進めたら時間内にまとまるのか、方向性を出し、めどがついたら昼飯にしたらどうでしょうか」

 

 あまり口を出さない大里が、総務として食事の手配をしたこともあり、提案をした。

 

「昼飯は弁当を用意しているので、弁当を食べながらにしたらどうかね」

 

「なんだ、それならそうと、もっと早く言ってくれればいいのに」

 

< 次回に続く お楽しみに >

 

■■ 脚注

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。

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