2011年08月22日

■■営業部長の発表 連載小説 先見思考経営80

■■営業部長の発表 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.80 昼休みのブログ

 

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

【本書の読み方】 脚注参照

 

■8 初めての人前での発表 5 通算80回 営業部長の発表

 

 印刷会社であるラッキーの社長である幸と竹根は靖国神社境内を散策しながら、二人が再会した1980年代のことを思い出している。

 ラッキー取締役を対象とした取締役研修は、ビジネスドックという竹根が開発した思考ツールを使いながら進められる。まずは、戸惑いの中、ブレインストーミングから始まった。

 ブレインストーミングに馴れていない5人は、なかなかアイディアも意見も出てこない。取締役の高齢化も気になる。課題が課されるがそれに対してどのように取り組んでいったら良いのかで停滞してしまった。

 受講者の取締役はビジネスドックとの取り組み、幸社長に「経営理念構築」という宿題が出された。

 ビジネスドックには、共通認識という観点から、グループ討議をした結果を発表するという作業がつきものである。

 ビジネスドックの思い出から、シーンは現代に戻った。幸は、竹根のブログに関する考え方を聞いて、自社でも活かせる方法がないかどうかを模索している。午前10時のブログで、ものごとの両面性について幸は竹根から教えられた。

 靖国神社を散策する二人は、再び無言となり、昔を思い出していた。ビジネスドックを使った社員研修で、刷増営業部長が発表者として登壇した。しどろもどろである。

 

【回想2 1980年代】 

 

 講師から、「模造紙に書いてある、皆さんのまとめをまず読んでいただけますか」と言われて、その通りにしているうちに発表者の刷増は落ち着きを取り戻していた。

 

「うちの会社は、終戦直後の混乱期、知識や情報収集に飢えている人たちに情報を提供しようという現会長が会社を興しました」

 

 だいぶ言葉がスムーズに出るようになってきた。ハンカチで汗を一拭きしてから発表を続けた。

 

「今日では、軽印刷物を学校や企業に届けています」

 

 講師の竹根のために用意した水差しから、水を一杯飲み干したのが皆の笑いを誘い、それがかえって刷増の気持ちを落ち着かせた。右手で笑いを制する仕草が出た。

 

 五分間と言われた発表もたった二分少々で終わってしまった。しかし、刷増には何時間もの長い時間がたったように感じられた。

 

「ハイ、刷増部長、お疲れ様でした。どうですか、部長、発表のご感想は?」

 

「いや、意外と言葉が出て来ないものですね。先生が人前で堂々とお話できることに今更驚きを感じています」

 

「お世辞を言っても、点が甘くなるわけではありませんよ」

 

 一人の大きな笑い声が湧き起こると、それが引き金となって会場全体が爆笑に包まれた。大松田が慌てて口を押さえた様を見て、また皆の笑い声が竜巻のごとく巻き上った。幸は、竹根の雰囲気作りのうまさに学ぶところが多いと感じた。

 

――一見すると銀行マンか大学の先生風の堅物に見える竹根に、このような芸当ができるとは、やはり荻野が言っていた竹根マジックと言うより他ならないな――

 

「刷増部長、実は、私は子供の頃、授業中に先生から指されたりすると顔が真っ赤になってしまうあがり症でして、人前でしゃべるのは未だに苦手です」

 

「それは、先生、ご謙遜で・・・」

 

「謙遜でも何でもないのです。ただ、仕事柄人前でしゃべる機会が多いことを重ねてきただけです。相手にとってどうしたらよいのかを情熱を持って語れば、下手でも気持ちは相手に伝わるものなのです」

 

 シーンとなった。一同の顔つきに真剣さが加わった。

 

< 次回に続く お楽しみに >

 

■■ 脚注

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。

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