2011年08月23日

■■社長の感涙 連載小説 竹根好助の「先見思考経営81

■■社長の感涙 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.81 昼休みのブログ

 

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

【本書の読み方】 脚注参照

 

■8 初めての人前での発表 6 通算81回 社長の感涙

 

 印刷会社であるラッキーの社長である幸と竹根は靖国神社境内を散策しながら、二人が再会した1980年代のことを思い出している。

 ラッキー取締役を対象とした取締役研修は、ビジネスドックという竹根が開発した思考ツールを使いながら進められる。

 ビジネスドックを使った社員研修で、刷増営業部長が発表者として登壇した。しどろもどろであったが、講師の一言で平常心を取り戻し、不充分ながらも発表を終えた。

 

【回想2 1980年代】 

 

「ただいまの発表についての私のコメントをお出しする前に、幸社長のご意見なり、ご感想なりをお聞かせ願いたいと思いますが、いかがでしょうか」

 

 拍手がおこった。

 

「先生、急に振らないでくださいよ。エー、そうですね、まずは、よくここまでまとめてくれ・・ま・・・」

 

 幸の声が感涙で次第に消えてきた。ハンカチをめがねの下から当てた拍子にめがねが落ちそうになった。また、歓声が上がった。歓声は、めがねが落ちたことが契機であるが、社長が喜ぶ様に対して拍手の代わりであることが竹根にも伝わってきた。

 

「幸社長の言葉を聞かなくても、皆さんの努力に対して、いかに社長の評価が高いかはおわかりと思います」

 

 拍手が誰ともなく出てきて、また歓声につながった。竹根は、歓声が静まるのを待ってから口を開いた。

 

「正直なところ、はじめは本当にまとまるのかと心配でした。金山さんは、どのへんでご苦労されました?」

 

 小太りの体を揺するようにして立ち上がった。それまでは、発言の時に立つことはなかったので、金山の太り気味の様子がこれほどであることをそのときになって気がついた。

 

「アイディアを出すのも大変ですが、短文にまとめるということの難しさを思い知らされました。それまでは、わかっていれば何も他の言葉に置き換える必要なんかないと、実は先生に反発していたのです」

 

「そうですね。要約をしたり、今回のようにたくさんの要素をもとにまとめたりすることは結構難しいことですね」

 

「良い体験をさせてもらいました」と言って座った。

 

「いえ、まだ、これで終わりというのではなく、これが始まりなのです」

 

 竹根の言葉に一同がまた爆笑を返した。

 

 竹根から、表現方法にはまだ問題があるが、内容的にはいろいろな角度から出てきていて、合格ラインを超えているが、時代背景や今後の技術動向などについて勘案して欲しかった旨のコメントが出た。

 

 竹根のコメントを聞いて、さすがツボを押さえた見方をするものだと、幸はまた学ぶところがあった。

 

< 次回に続く お楽しみに >

 

■■ 脚注

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。

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