2011年08月25日

■■わが社の長所・強み 連載小説 竹根好助の先見思考経営83

■■わが社の長所・強み 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.83 昼休みのブログ

 

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

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【本書の読み方】 脚注参照

 

■8 初めての人前での発表 8 通算83回 わが社の長所・強み

 

 印刷会社であるラッキーの社長である幸と竹根は靖国神社境内を散策しながら、二人が再会した1980年代のことを思い出している。

 ラッキー取締役を対象とした取締役研修は、ビジネスドックという竹根が開発した思考ツールを使いながら進められる。

 ビジネスドックを使った社員研修で、刷増営業部長が発表者として登壇した。しどろもどろであったが、講師の一言で平常心を取り戻し、不充分ながらも発表を終えた。

 引き続いて、ビジネスドックの説明があった。

 

【回想2 1980年代】 

 

 ビジネスドックの説明を終わり、「何か質問がありますか?」と講師の竹根からの問いかけがあった。

 

 ぐるりと見回しても、何も質問がなさそうであったので、荻野にバトンタッチされた。

 

――このような時でも、何か質問が出てくるようになると、逆に理解がきちんとなされている証なのだが・・・まだうちの役員連中にそれを求めるのは無理なんだな――と幸は思った。

 

 先ほどと同様に作業が進められ、わが社の長所・強みというまとめができ、発表は大松田が行った。

 

「二回目となると要領がだいぶつかめてきたようですね。大松田さんは、人前でこのように話をする機会は以前にもありましたか?」

 

「いえ、初めてです。ただ、結婚式の披露宴でスピーチをしたことはありましたが、そのときと同様にあがってしまいました」

 

「でも、私には落ち着いているように見えました。これからもこのような機会はあると思いますので、ご注意を一つしておきます。話をする時には、天井を見て話すのではなく、聞いている人、一人一人に向かって話しかけるようにするとよいでしょう。そうすると、聞いている方も話しかけられているという印象を持ち、話も意外とスムーズにできるようです。私は、先ほどもお話したように、人前での話が得意な方ではないので、大松田さんの気持ちはよくわかります」

 

 気持ちがわかると言われて、大松田はホッとしたような気がした。それから、竹根より内容についてのコメントがなされた。

 

「大里さん、このテーマについて討議してみて、何か感想はありませんか?」

 

 指名されて一瞬たじろいだが、総務という仕事の関係上、外部の人と接することもある大里は、卒なく答えた。

 

「今まで、自分の会社がどうのこうのと考えても見なかったのですが、いい点も結構あるものですね」

 

「例えばどのようなことでそう感じました?」

 

「家族的な雰囲気というのがありましたが、私はこれまでそれが当たり前と思っていました。改めて言われてみると家族的というのはいいことで、もしそうでない会社だったらこんな年まで働いてはいなかったかもしれませんね」

 

「非常によいところに気がつきましたね。しかし、何事でもそうですが、よい面と悪い面があります。どなたか何でも結構ですから、『家族的』ということについて気がついたことをおっしゃってください」

 

 刷増が手を挙げて発言を求めた。

 

「今先生がものごとの両面性について話していました。私もそう思います。例えば、『家族的』というのが百パーセントよいこととも言えないと思います。それがある面ではぬるま湯的と言ってもよいと思います。是是非非という言葉がありますが、うちの会社には厳しさが欠けているように思えます」

 

「是是非非という難しい言葉が出てきましたが、是は是とし非は非とするということです。すなわち、よいことはよいこととして認め、悪いことは悪いとする節度ある考えや行動を取ることですね。これができる企業は、成長すると考えています」

 

< 次回に続く お楽しみに >

 

■■ 脚注

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。

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