2011年09月06日

■■有言実行と社長の宿題 連載 竹根好助の先見思考経営.89

■■有言実行と社長の宿題 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.89 昼休みのブログ

 

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

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【本書の読み方】 脚注参照

 

■8 初めての人前での発表 14 通算89回 有言実行と社長の宿題

 

 印刷会社であるラッキーの社長である幸と竹根は靖国神社境内を散策しながら、二人が再会した1980年代のことを思い出している。

 ラッキー取締役を対象とした取締役研修は、ビジネスドックという竹根が開発した思考ツールを使いながら進められる。

 研修方法にもバリエーションが出てきた。カード型ブレインストーミングという発散思考法とKJ法という収束思考法を学んだ。夜中まで討議をする羽目になり、世間一般企業の厳しさを体感した。

 野外研修を経験した後、纏めに入り、個別課題は宿題となった。

 

【回想2 1980年代】 

 

「創業以来四半世紀近く、わが社には経営戦略もなければ、その基本となる経営理念も明確でないままやってきました。竹根先生から宿題を出されるまでもなく、わが社の経営理念を明確にしてゆきたいと考えています。はじめは稚拙な経営理念かもしれないが、皆さんが今回いろいろとまとめてくれたことを参考にしながら、経営理念第一版をできるだけ早期に作り上げます。それから、逐次改良、改良という言葉もちょっと不適切かな、とにかく、よくしてゆきます」

 

 大きな拍手があがった。

 

「これからは『有言実行』を基本と考えています」

 

「社長、それはすでに経営理念ではないですか」と金山が言葉を挟んだ。

 

「そうですね、これも理念の一部かもしれませんが、まだまだ私の言いたいことは言い尽くせていないので、今少し時間を欲しいと思います。今、金山工場長からよい発言がありましたが、先ほどの竹根先生からの皆さんへの宿題も有言実行してもらいたいと考えています」

 

 反発とも、異論とも異なる声が上がった。

 

「まだ、日程は決まってはいないが、この研修のフォローアップを竹根先生にお願いしている。今日の宿題を各自でまとめてもらい、その場でそれを発表してもらいます。不合格の者は、再提出となります。よろしいですか」

 

 また、先ほどと同じような声が上がった。しかし、意識が変わった彼らのその声は、以前のような非難めいた響きとは大きく異なっている。

 

「今回の研修では、ソフト的には今まで私が述べたように、また皆さんが感じたようにいろいろなことを感じ取ることができ、反省も多かった。それだけではなく、われわれは大きな別のものも手に入れることができました」

 

 幸は、一人一人に視線を合わせて、間を取った。竹根の研修を受けていて幸が学んだ話し方の技術の一つである。五人は、幸が何を言いたいのか、何を言い出すのか、ちょっと不安感も交えて、次の言葉を待った。

 

「ハード面で得たこれもこれからわれわれには大きく役に立つでしょう」

 

 聞いている者はじれた。これも竹根流の、『考えさせる』手法の一つとして、幸が盗み取ったことである。

 

「ビジネスドックという手法です。今まで、何かを決めるときに単に意見を皆が出して、最終的にはそれが決定事項なのかどうかも不明確なまま会議を終えていました。これからはビジネスドック手法を取り入れ、また先生の講義の中にもありましたが、決めたことを記録し、その進捗管理をきちんとすることもやってゆきたいですね」

 

「社長、経営理念がだいぶ固まってきましたね」と金山がまたヤジを飛ばす。

 

 五時五分前に研修が終了し、研修室を元の状態に戻して、各自が帰宅の途についた。

 

< 次回に続く お楽しみに >

 

■■ 脚注

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。

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