2011年09月08日

■■日本法学の原点 連載竹根好助の先見思考経営 91

■■昼休みに読むブログ小説 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.91 昼休みのブログ

 

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

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【本書の読み方】 脚注参照

 

■9 顧問契約 2 通算91回 日本法学の原点 

 

 印刷会社であるラッキーの社長である幸と竹根は靖国神社境内を散策しながら、二人が再会した1980年代のことを思い出している。

 ラッキー取締役を対象とした取締役研修は、ビジネスドックという竹根が開発した思考ツールを使いながら進められる。研修方法も多種多様で、初めての体験をしたラッキーの取締役は始めは戸惑った。次第に、幹部研修の雰囲気が分かった頃には研修は終わった。しかし、個別課題は宿題となった。社長の幸も「経営理念」という課題が与えられた。

 現代の靖国神社の場面に戻って来た。散策しながら、ブログ小説の話になった。

 

【現代】 

 

 靖国神社の一角で、先ほどまでキャッキャと騒いでいた子どもは、いつの間にか母親に連れ立たれて姿が見えなくなっていた。

 

「先生、何か冷たい物でも買ってきましょうか?それとも温かいコーヒーにしますか?」

「いや、今は結構です」

 

 竹根が右手の方をさして言葉を続けた。

 

「あちらに相撲場があるのを知っています?」

 

すもうって、あのお相撲のことですか?」

 

「えぇ、ここで毎年、神技としての奉納相撲がなされるようです。私は、残念ながら見たことが一度もないのですが」

 

「そうですか。私なんて、このような場所に相撲場があるなんて、皆目知りませんでした」

 

「あれが法政大学ですね」

 

「こんなに近くなのに、あの高く堂々とした建物が意外と邪魔にならないのですね。桜の木のおかげで、高いところの視野が幸いなことに遮られるのですね」

 

「三十階以上もあるのでしょうか、あの建物構想がでたときには、靖国神社のすぐ隣に無粋な建物を建てるなんて非常識だと思ったりもしましたが、意外や意外ですね」

 

「そうです、あの頃は、外濠公園の緑と靖国神社の杜に囲まれて、ひときわ高くそびえる『ボアソナード・タワー』なんてマスコミも取り上げましたね。大学のインテリジェント化の走りで都心型キャンパスの理想型のように言われてました」

 

「私などは『ボアソナード』なんて、変な外国語の名前をつけて嫌な趣味だと思いましたよ」

 

「聞くところによると法政大学の前身である東京法学校の教育に重要な役割を果たしたフランス人のボアソナード博士の名前を取って命名されたそうですね」

 

パリ大学を卒業し、博士号を取得した後、グルノーブル大、パリ大の教授を歴任、一八七三(明治六)年、政府の法律顧問としてわが国に招かれ、太政官、司法省、外務省などの顧問として、二十年間にわたり刑法典、治罪法典、民法典などの法典編纂や、司法省法学校の教授、政府の外交政策への助言などに尽力した。(法政大学Webサイトより)

 

「明治十何年のことですから、百何十年も前に法政大学は開校したことになりますね」

「育さんは博学ですね」

 

「いやいや、うちの営業部長が法政大学の出で、その聞きかじりですから・・・」

 

「そう言えば、営業部長さんは刷増さんでしたね」

 

「先生は、社員の名前までよく覚えていらっしゃいますね」

 

「それはそうですよ、刷増さんは当時はまだ係長さんから課長さんになったばかりでしたが、先頭に立って私のアドバイスを実践してくれましたからね。お父さんはたしか営業担当の役員さんで、今日のラッキーさんのあるのは、この親子に負うところも大きいですね」

 

「あれは、一九八〇年代の前半で、印刷業界も技術変化の激しい時代でしたからね」

 

「あの時の熱気は、わが社の創立以来初めてのことですよ。研修に非常に反発している金山工場長のことが気になっていました。筆頭常務と言うこともあり、影響力が強いですからね。それにしても、ビジネスドックとはどんなものなのか、どのように幹部研修というのは進められるのか、うちの役員連中がそれについていけるのか・・・もっとも心配なのは、反発が研修を台無しにしてしまうのではないかと、気が気でなりませんでした」

 

 その興奮を思い出したように、幸社長の語気が強かった。竹根は、そんな彼の顔に当時の若い幸の顔を見た。幸は再び一九八〇年代の前半の昔に帰ってきた。

 

< 次回に続く お楽しみに >

 

■■ 脚注

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。

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