2011年09月21日

■■竹根の帰国 連載 竹根好助の先見思考経営100

■■竹根の帰国 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.100 昼休みのブログ

 

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

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【本書の読み方】 脚注参照

 

■9 顧問契約 11 通算100回 竹根の帰国    

 

 印刷会社であるラッキーの社長である幸と竹根は靖国神社境内を散策しながら、二人が再会した1980年代のことを思い出している。

 ラッキー取締役を対象とした取締役研修は、ビジネスドックという竹根が開発した思考ツールを使いながら進められる。荒れた研修も終わったものの個別課題は宿題となった。社長の幸も「経営理念」という課題が与えられた。

 研修後、初めて竹根がラッキーの社長室を訪問した。顧問契約書を交わすためである。契約書の内容を竹根が説明し始めた。その中に、幸は竹根という経営コンサルタントの人柄を感じ取り契約をすることになった。

 研修時の宿題である、経営理念の添削を竹根がし出した。真っ赤になって返ってきた。

 顧問契約も済み、コンサルタントが退去してやってきた。現場を阿須から工場長を始め、管理職が迷惑に思い、コンサルタント契約が始めから暗礁に乗り上げてしまった。者著の幸はそれとなく様子を探るが、少々心配になり、竹根経営コンサルタント事務所に電話を入れた。

 

【回想2 1980年代】 

 

 一旦くすぶった不満はそう簡単にとけるものではない。社員の負荷ができるだけかからないように気を配る荻野たちであるが、荻野たちに対する社員の対応は、今までと違って事務的というか素っ気ない応対になってきた。

 

 竹根が海外出張から戻り、ラッキーを訪問したのは顧問契約が成立してからちょうど一ヶ月が経過した時である。竹根は社内を一通り回りながら何人かに声をかけた。応接室に一人が入って来た。竹根は、ヨーロッパの視察の話を簡単にした後、その社員に二言三言話すと、その社員はにっこりと笑って席を立った。すぐに別の社員が入って来た。数分間でその社員も出て行き、その繰り返しで五~六人の社員と簡単な面談をした。

 

社長室に戻ると、牧神がお茶を運んできたところで、テーブルには、竹根と幸の湯飲みが並んでいる。幸の湯飲みからはほのかに湯気が立ち上っている。竹根が湯飲みのふたを取ると、ほのかな懐かしいお茶の香りに包まれた。

 

「牧神さん、相変わらずおいしいお茶をありがとうございます。これは狹山の『秀峰』ですね」

 

「さすが、先生、『秀峰』のかおりを覚えていてくださったのですね」

 

 狹山というのは、埼玉県西部から東京都の西部にかけて生産されているお茶の産地である。狹山の茶摘み歌に「色の静岡、香りの宇治、味の狭山」というくだりがある。狹山茶の中にも『秀峰』をはじめ幾つかのブランドがある。

 

 秘書の牧神は竹根のそばで、丸いお盆を両手にして立っている。

 

「そうそう、ローマですてきなスカーフを見つけて、愛子さんに似合うのではないかと、衝動買いをしてしまいました。受け取っていただけますか?」

 

 牧神は、竹根が自分のことを「愛子」とファーストネームで呼んでくれたので、ドキッとしてしまった。あわてて、お礼の言葉がすぐには出なかった。

 

 それを聞いていた幸も、二人の急速な接近に期待をふくらませた。

 

「まあ、私のような者にお土産ですか」

 

「あの~、もし、お邪魔でしたら、私は席を外しますが・・・」

 

 愛子は顔を赤らめた。

 

< 次回に続く お楽しみに >

 

■■ 脚注

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。

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