2011年10月05日

■■竹根と幸会長の面談 連載竹根好助の先見思考経営 108

■■竹根と幸会長の面談 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.108 昼休みのブログ

 

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

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【本書の読み方】 脚注参照

 

■10 厳しい取締役会 6 通算108回 竹根と幸会長の面談 

 

 印刷会社であるラッキーの社長である幸と竹根は靖国神社境内を散策しながら、二人が再会した1980年代のことを思い出している。

 ラッキー取締役を対象とした取締役研修、社長の幸の「経営理念」の構築、顧問契約と波乱はあったものの進展してきた。

 1980年代のラッキーの社長室である。電話で社長の幸が竹根の提案受け入れの話をし、後は取締役会での承認を待つだけとなった。その提案とは、これまでの印刷業界にない突飛なモノであり、それだけに取締役達の説得ができるのか、それが問題である。

 

【回想2 1980年代】 

 

 二十一日十四時十五分に荻野を伴って竹根がラッキーを訪問した。ラッキーの役員たちの反発も、荻野たちが、社内雰囲気改善の努力をしたこともあり、また竹根の何度かの訪問も手伝い、取締役たちはまたもとの協力的な姿勢に戻りつつあった。アポイントメントの時間まで、いつも通り社内を廻る。声をかけられた社員は、竹根から自分の名前で声をかけられることもあり、次第に社員の方も気軽に応対をするようになった。

 

 社内を廻っている間に、愛子が会長とのセッティングに動いてくれた。会長が面会できる旨を竹根に伝え、社長室に誘った。

 

「失礼します。会長、ご無沙汰をお許しください」

 

 竹根は、社長室に入ったところから、声をかけた。幸社長は気を利かせて、席を外している。

 

「やあ、竹根さん、どうぞこちらに・・・」

 

 二人は、ソファーのセンターテーブルを挟んで挨拶をした。足は丈夫だと言っている会長だが、動きは鈍くなってきている。座るときも尻をドスンと落とすようにし、筋力の衰えが気になるほどであった。幸会長が座るのを確認してから竹根もソファーに座った。

 

 昔話、ラッキーの現状、趣味の写真や俳句の話など三十分ほどにわたって歓談した。

「先生のおかげで、うちの会社もなんとかやってこられるようになりました。今回の先生の冒険的なご提案には、正直なところ私も迷いました。しかし、わが社が生き残るためには、あのくらいの英断が必要なのでしょうな」

 

 はじめは「竹根さん」と呼んでいた会長も、仕事の話になると「先生」と言葉を改めた。

 

「会長、今の様に世間全般の企業が成長している時代には、生き残るという姿勢では、いずれ衰退するということではないでしょうか。私は、勝ち残るための戦略をご提案しました」

 

「あいかわらず、竹根先生は強気ですね。でも、その強気と堅実性の両方を兼ね備えているあなたを信頼します」

 

 幸会長は立ち上がって、竹根に頭を下げた。

 

 会長と社長が入れ替わり、会長は社長室を出て行った。その後ろ姿は、ソファーに向かうときのややふらつき気味の会長とは違って、足取りがしっかりしているように竹根の目には映った。

 

「さて、私の悪口を会長からお聞きいただいたところで、本題に入りましょうか」

 

「たくさん聞かせてもらいました」

 

 会長は息子の育雄の経営ぶりに満足し、その経営手腕は自分以上であると話していた。かつての二人の諍いは嘘のように、信頼で結ばれていることを竹根は喜んだ。

 

 その日のメインテーマである『長期経営戦略提案書』について竹根から丁寧な説明を受けた。幸は、その内容には満足である。がしかし、「ラッキーで本当にその計画通りやってゆけるのか」ということになると、社員のレベルを知っているだけに、たとえ竹根たちの支援があったとしても、幸は不安を覚えた。

 

< 次回に続く お楽しみに >

 

■■ 脚注

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。

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