2011年10月12日

■■二兎を追う経営戦略 連載竹根好助の先見思考経営113

■■二兎を追う経営戦略 連載小説 経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.113 昼休みのブログ

 

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

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【本書の読み方】 脚注参照

 

■10 厳しい取締役会 11 通算113回 二兎を追う経営戦略 

 

 印刷会社であるラッキーの社長である幸と竹根は靖国神社境内を散策しながら、二人が再会した1980年代のことを思い出している。

 ラッキー取締役を対象とした取締役研修、社長の幸の「経営理念」の構築、顧問契約と波乱はあったものの進展してきた。

 1980年代のラッキーの社長室である。電話で社長の幸が竹根の提案受け入れの話をし、後は取締役会での承認を待つだけとなった。それを前にして、竹根は幸会長に面会した。幸会長は竹根の提案に満足である。

 竹根と協議して決めた五カ年計画を審議する取締役会が始まった。幸が議案説明をすると、驚きの声が会議場に上がった。それもそのはず、「ノンファブリック」等という印刷業界では聞いたことのない提案であった。当然のことながら賛否両論で、意見は真っ二つに割れた。反対派の急先鋒は、やはり筆頭常務の金山工場長であった。

 

【回想2 1980年代】 

 

 竹根は、金山の方を向いて話しかけるように言った。

 

「工場長、いかがですか?」

 

「完全に理解できたわけではないですが、活版機をなくすわけではないのですね?」

 

「もちろん、活版は残します。まだまだ活字に固執する読者もいますので、出版社とは従来通りおつきあいをします。むしろオフでも対応できる二本立てであれば仕事の機会が増えるかもしれません」

 

「二兎を追うというよりは、二頭立て馬車と考えた方が良いわけですね」

 

「適切なたとえですね。まさに、おっしゃるとおりです。ただし、オフの比率は当面は高くないので、二頭立てでも横に二頭立てではなく、縦に二頭立て、電気で言えば直列接続となります」

 

 そのたとえが良かったのか、金山工場長は笑顔で座った。

 

 各自が、それぞれの意見を発表したが、似たり寄ったりである。

 

「皆さんのご意見を総合すると、基本的には現組織の中で、刷増営業部長がオフセットに関するビジネスについても営業活動及びそれに付帯する業務、例えば印刷会社との折衝や出版社との打合せなども担当する、ということになると思います。私の理解に問題がありますか?」

 

 誰も異論を挟む者はなく、金山は、――さすが社長だけあってうまくまとめるものだ――と感心するほどである。研修以来、金山の姿勢が良い方向にだいぶ変化して来た。

 

 竹根が、挙手をして意見を申し出た。

 

「では、オブザーバーの竹根先生からご意見を賜りたいと思います」

 

 竹根はゆっくりと起立して、頭を下げた。

 

< 次回に続く お楽しみに >

 

■■ 脚注

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。

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