2011年11月21日

■■高揚と否定 【連載小説】竹根好助の先見思考経営 139

■■高揚と否定 【連載小説】経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.139

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

【本書の読み方】 脚注参照

■12 第二創業期始まる 15 通算139回 高揚と否定

 印刷会社ラッキーの取締役会の場である。荒れた取締役会であるが、五カ年計画の第二議案まで何とか可決されるところまできた。

 幸は、荒れた役員会の思い出から、我に返ると、そこはまだ靖国神社の茶室であった。三代目になるであろう育猛が何故ブログの話をしだしたのか気になって仕方のない幸である。

 そのうちに幸は竹根と再会した1980年代に再び引き戻された。竹根がプリダ印刷機の販売の件で、古巣である福田商事を訪れた。

 竹根もそのフォローのために、日時をずらして福田商事に行った。そのことが気になる幸は福田商事との商談を開始した。その帰りに竹根事務所を訪れた。待っている間だけでも幸は竹根から学ぶことが多かった。

 幸は、竹根が福田商事を訪問して側面から応援してくれていることに対して深く感謝をした。ところが、竹根は、幸が描いてきたプリントショップ・ビジネス構想を否定したのである。何故否定されたのかわからない幸であったが、竹根の説明が始まった。

【回想2 1980年代】 

――先日の竹根先生の話では、この版下作成という部分も将来はなくなると言っていたな。それを前提にこのビジネスと取り組んでいけば、今からいろいろな手を打つことができる――

 幸の顔が紅潮してくるのがわかる。

「そうすれば、お客様の満足度は高まります。人間の欲求というのは、ある段階まで来るとまたその上を目指します。本文についても、ワープロやパソコンで印字した品質には満足できなくなります」

「すなわち、お客様が意図した原稿をもとに、版下も作ってあげると言うことですね。ウン、ウン」

「お客様の中には、原稿の中に写真を入れたいという人もいるでしょう。もっとデザイン性の高い印刷物を求める人も当然います。そうなると、客層も印刷物も、今までとは異なる市場に広がってきます」

「売上が伸びると言うことですね。付加価値ビジネスにより、利益率も大きく改善されますね」

「しかし、それだけでは、いずれライバルが出てきます。ラッキーとしては、その先を行かなければなりません」

 ――せっかくいい気分になっていたのに、竹根先生は水を差すのだから・・・――

「ああ、せっかくふくらんだ夢をつぶしてしまい、申し訳ありません」

 自分の気持ちを読まれたことを笑いでごまかそうとしたが、堅い笑顔になってしまった。

< 次回に続く お楽しみに >

■■ 脚注

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。

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