2011年12月05日

■■嬉しい悲鳴への対策【連載】竹根好助の先見思考経営149

■■嬉しい悲鳴への対策 【連載小説】経営コンサルタント竹根好助の「先見思考経営」 No.149

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

【本書の読み方】 脚注参照

■13 初めてのイベント 5 通算149回 嬉しい悲鳴への対策

 小さな印刷会社ラッキーでは、荒れた取締役会であったが、五カ年計画が何とか可決された。

 プリダ軽オフセットを使ったプリントショップビジネスの新事業への取り組みが決まったものの、それを誰が担当するかが問題となった。なんと営業部長の息子であるまだ若い係長が抜擢されなど、人事面でも思いもよらない方向ではあるが、いよいよ五カ年計画がスタートした。

 幸は、荒れた役員会の思い出から、我に返ると、そこはまだ靖国神社の茶室であった。三代目になるであろう長男の育猛のことが気になって仕方のない幸である。

 竹根と話をしているうちに、幸は再び1980年代の竹根に顧問を依頼した頃に思考が戻った。

 五カ年計画のプリントショップビジネスの第一弾として、福田商事とラッキーの共催でセミナーを開催し、ビジネス紹介のでも現場も見られるようにした。これがヒットした。しかし新たな問題として、顧客のニーズにラッキーの体制が整わないことが予想された。

【回想2 1980年代】 

 この催しものが大当たりで、納期などの面で嬉しい新たな問題が発生した。

 そこで、ラッキーでは関係者を集めた緊急会議が開催された。都合がついた社員は、社長の幸はもちろんのこと、大松田技術部長と刷増営業部長の二人だけであった。

「すでに会議開催案内でテーマは理解していると思うが、予想外の反響で、それもうれしい悲鳴だけど、そのために『お待ちいただいている間に印刷できます』のキャッチフレーズどころか『印刷即納、原稿の引き取り、印刷物の配送いたします』も難しくなってきた。そこで何か良い方法はないものか、知恵を出してもらいたい」

「予想以上の反響ですね。やはり、この戦略は当たったのですから前向きな対応策を考えるべきだと思います」

 刷増は、強気であり、さらに続けた。

「まず、人を増やすことでしょう。荻野先生の応援を得て、早急に新人教育をしましょう」

「部長、そうは言っても、あんただって仕事に追われているのに、そんなことをやっている時間をとれるのかよ」

「もちろん、夜に回せるものは夜やるし、この際日曜出勤だって辞さないです」

「部長、まあ、そう、肩に力を入れなさるな」

 幸がなだめ役に廻るほどで、刷増の気持ちがうれしかった。

「部長にがんばってもらえるのはうれしいし、できるだけそうして欲しい。だけで、人を増やすのは即戦力という観点で、この際あまり気が進まないね。人を増やさずにやりたいのだ」

「難しい課題ですね」

 大松田も刷増も、黙り込んでしまった。

< 次回に続く お楽しみに >

■■ 脚注

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。

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