2011年12月27日

■■<最終回>息子に託す【連載小説】先見思考経営No.165

■■<最終回> 息子に託す 【連載小説】竹根好助の「先見思考経営」 No.165

 昼は休みに読むブログ連載小説です。経営コンサルタントとどのようにつきあうと経営者・管理職として、プロ士業として一歩上を目指せるのか、小説を通じて体感してください。

【本書の読み方】 脚注参照

■14 エピローグ 7 通算165回<最終回> 息子に託す

 小さな印刷会社ラッキーでは、荒れた取締役会であったが、五カ年計画が何とか可決された。

 その一つであるプリントショップビジネスに対して、その第一弾として、福田商事とラッキーの共催でセミナーを開催し、ビジネス紹介のでも現場も見られるようにした。これがヒットした。しかし新たな問題として、顧客のニーズにラッキーの体制が整わないことが予想された。

 新たな難問を社員自らの知恵で解決でき、社長や社員がこぞって自信を持つことができた。

 もちろんその陰には。二人が思い出に浸る中で、竹根達、経営コンサルタントの力があることを橋上の幸が最も理解しているのである。

【現代】 

「社長業というのは、やれば何とかなるものですね。でも、先生がいらっしゃらなければ社長はやってこられなかったでしょう」

「いえ、いえ、経営コンサルタントを使いこなせない社長が多い中、あなたは立派に経営コンサルタントを使いこなし、利用し、活用しているではないですか」

「そんなこともないのですが・・・」

「育猛君は、そんな社長の背中を見て、自分にも社長ができるかも知れないという希望を持つようになり、それが確信に繋がったのではないでしょうか」

 幸の目が潤んできた。涙腺が緩むのは、年のせいだけではないと言いたげに、恥ずかしさを吹き飛ばすように、真っ白なアイロンのきいたハンカチを出して堂々と目に当てた。

「とにかく先ほど話した、今日だけではなく来るべき時代に、ラッキーはどのような経営をするのか、それがあなたの宿題です。それだけではなく育猛君の良さをよく理解してやり、彼を育さん以上の経営者に育てなければならないのですよ」

 これほどまでに、竹根がラッキーのことを考えてくれているのに、幸は、愛子と竹根との関係の進展が思うように進まないのに歯ぎしりする自分に後ろめたさを感じた。

 靖国神社の一番奥にある、竹根がもっとも好きな場所の一つという神池庭園まで行ったのは、幸は初めてであった。都会のど真ん中に、あのように静閑な場所があるなんて、ましてや、竹根が主催する茶会の席にまであがるとは予想だにしていなかった。

 一時間半程であったが、言葉にできない何かを学び取れた靖国神社での散歩も終わりに近くなってきた。陽はまだ高かったが、木の間を流れてくる夏風は心地よかった。

――アッ、そうだ、一つ大事なことを忘れていた。愛子さんだ。竹根先生にもっと接近させなければ・・・――

< 次回に続く お楽しみに >

■■ 脚注

 本書は、現代情景と階層部分を並行して話が展開する新しい試みをしています。読みづらい部分もあろうかと思いますので、現代情景部分については【現代】と、また過去の回想シーンについては【回想】と表記します。回想シーンも、回想1は1970年代前半にはじめて幸が竹根に会ったときと、回想2は、その十数年後、二度目にあったときの二つの時間帯があります。

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