2012年10月01日

■■【経済の読み方】 9月後半の世の中を時系列に見る

■■【経済の読み方】 時系列的に見ると見えないものが見えてくる 

◇ 日本の景気現状 2012/09/30

 企業の生産活動を示す8月の鉱工業生産指数は、2ヵ月連続で下落しました。平成17年を100とした指数で90.5と、前月と比べて1.3%のマイナスでした。

 経済産業省は、企業の生産活動についての判断を下方修正して1年9ヵ月ぶりに「弱含み傾向にある」としました。主な原因は下記です。

1.ヨーロッパの信用不安の影響でスマートフォン用の液晶画面や半導体など関連部品の生産の減少

2.9月21日に打ち切られたいわゆる「エコカー補助金」の制度の終了を見越して乗用車の生産が減った

 一方、厚労省の発表では、8月の有効求人倍率は、季節による変動要因を除いて0.83倍で、前の月と同じ水準となりました。

 8月の完全失業率は4.2%で、前月比でわずかですが0.1ポイント改善しました。しかし、また完全失業者数は277万人もいるのです。

 消費者が買う物やサービスの価格の動きを示す、8月の消費者物価指数は4か月連続で下落しました。

 天候による変動が大きい生鮮食品を除いて、平成22年を100とした指数で99.6と去年の同じ月に比べて0.3%の下落です。

 物価が下がることは消費者としては良いことのように思えますが、企業側ではそれだけ苦しくなり、ボーナスにも響くかもしれません。「適度」」が何ごとも肝要で、日銀は1%の物価上昇を目指しています。


◇ 業務用小麦値上げへ 2012/09/29

 アメリカの干ばつによるトウモロコシや小麦などの農作物不作影響がじわりと近寄ってきています。

 輸入小麦はすでに価格が高騰していますが、政府から売り渡される小麦価格が10月から3%引き上げられます。

 これに伴い、製粉最大手の「日清製粉」は、うどんや菓子などの材料となる業務用の小麦粉の一部を12月から値上げすると発表しました。

 国産の小麦粉も、輸入小麦の価格に連動して価格が上がっています。国際的な高騰から、遅かれ早かれ家庭用の小麦粉についても値上げが行われるでしょう。


◇ 日中関係改善の努力 2012/09/28

 国連総会出席のため野田総理の同行している玄葉外務大臣が、中国の陽氏と会談をしたり、訪中して経団連の米倉会長が唐元外相らと会談したりするなど、日中関係の再構築活動が行われているようです。

 しかし、中国の対応をつれない返事ばかりです。

 当ブログでも海外進出リスクについては何度か書いていますが、リスク分散ということを忘れてはならないと考えています。

 例えば全日空が4万席ものキャンセルに遭遇しているニュースが大きく報道されました。

 全日空に国際線への進出が許可されたときに、JALとの差異化(差別化)のために中国線に重点をおきました。これは、弱者の戦略として当然のことです。

 ところが、そこにあまりにもシフトしすぎた結果が今回のキャンセルによる大きな機会損失を被ることに繋がったといえます。

 そのような中、リスク分散先開拓と言うことが背景にあるのでしょう。日本商工会議所がミャンマー他へ訪問団を派遣しています。すでにベトナムを訪問しました。

 アウンサン・スー・チーさんの活躍で、ようやく民主化と経済改革が急速に進んできているミャンマーでは、テイン・セイン大統領とも会談。人口が6000万人の大市場で、人件費が安く、天然ガスや銅などの資源も豊富です。かつては、山田長政等をはじめ日本との交流の深いこともあり、アジア最後のフロンティアとも呼ばれるミャンマーは有力な相手国といえます。

 ミャンマー政府に対して岡村会頭は、日本企業の進出に向けた環境整備を急ぐよう要請しました。

 とりわけインフラとして電力の安定供給や、海外からの投資に必要な法整備などがテーマに上がったようです。

 民主化とともに経済の開放が進むミャンマーは、「アジア最後のフロンティア」とも呼ばれ、日本など各国の投資熱が高まっており、岡村会頭の訪問団は、27日も、ミャンマーの政府関係者との会談などを通じて、日本との経済関係の強化を働きかけることにしています。


◇ 若手経営コンサルタントの活躍 2012/09/27

 経営コンサルタント業を35年やっていますが、経営コンサルタントに対する偏見を持っている人もいます。

 私の周りにいる経営コンサルタントの先生方は、まじめに仕事に取り組んでいます。

 その一人が、昨日、経営コンサルタントを対象とした経産大臣賞を目指す論文発表会で発表しました。

 イントロから本論に入り、その実践手法を紹介していました。非常に斬新な手法です。

 ところが、その発表に対して審査員がコメントをしていましたが、まるで研究者の学術論文に多意するような、実践を目指す経営コンサルタントのための論文ということを無視したようなコメントでした。

 主催者の選んだ審査員の多くが、経営コンサルタント歴がない、大学の先生らでした。この論文の対象が「経営コンサルティング」ですので、審査員もそれにふさわしい人を選ぶべきです。

 地道に実績を上げている若手の経営コンサルタントの登竜門のような論文大会だけに、非常に残念です。


◇ 日銀短観の悲観的予測 2012/09/27

 日銀の短観は、景気の状況を把握するため、3か月ごとにじっしされます。主要な指標で「景気がよい」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合の差をプラスマイナスで見る指標です。大変大雑把な見方ですが、景気動向を見るのに参考になります。

 10月1日に発表される日銀の短観(企業短期経済観測調査)について、民間の予測では大企業の製造業の景気判断は、海外経済の減速の影響で6月に行われた前回の調査より悪化すると見込んでいることがわかりました。

 その要因は、「あいかわらず」ですが、下記の3点を挙げられます。

1. 歴史的な円高水準が長期化している
2. 中国など海外経済の減速で国内の生産や輸出への影響が出ている
3. エコカー補助金で好調だった自動車販売が息切れした

 さらに、3か月後の予測では、海外経済の減速が続くうえに日中関係の悪化が企業業績に及ぼす影響があるので、さらに悪化することが懸念されます。


◇ スーパーマーケットの売上高が6ヵ月連続減少 2012/09/26

 8月の全国のスーパーマーケットの売上高が、6か月連続で前年同月を下回りました。日本チェーンストア協会のまとめによりますと、金額で1兆417億円余りで前年同月比で1.3%のマイナスです。

 原因は、産地が天候に恵まれて、キャベツや大根など野菜の生産量が増え、販売価格が大きく値下がりしたことが挙げられています。また逆に水産品は、サンマは水揚げが少ないなどで、ウナギと共に価格が高く、販売が減少して食料品としての販売額が落ち込んでしまったためです。

 消費者の節約志向や大手スーパーが相次いで食料品などの値下げで、売上高の減少は続き、しばらくはこの厳しさは続くでしょう。


◇ 世界経済は”想定”を超え減速 2012/09/25

 日銀の山口副総裁が東京都内で講演を行いました。

 「中国の景気低迷が長引くなど、世界経済は想定を超えるペースで減速している」という厳しい認識を示しました。

 中国や他の新興国も、経済成長の反面、賃金高騰や物価上昇などが足かせとなっています。金融緩和策でも思い切った政策が採りづらい状況にあるのです。

 なかでも影響の大きい中国経済は、ヨーロッパ向けの輸出の落ち込み、内需の鈍化、そのなかで在庫が増えるなど景気の先行きへの不確実性が高まっています。

 「減速状態から抜け出す時期が後ずれすることは確実だ」と山口副総裁は言っています。それに伴い、「世界経済のリスクによっては一段の金融緩和を検討する」という考えも示しました。


◇ 地熱発電で環境への関心 2012/09/25

 地熱発電の先進国と言えばニュージーランドやアイスランドが代表的です。温泉がある地域では関心が高いです。

 温泉大国日本では、まだまだお題目が唱えられるだけで、本格的な利用にまで至っていません。そのような中、独立行政法人JOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)が専門部署を発足し、重い腰を上げました。開発を進めようとする企業への支援を行ってゆきます。

 ソーラーにしろ、風力にしろ、天候に左右されがちです。それに対して、地熱発電は安定しています。これまでは発電効率があまり高くないという、投資対効果の観点で日本は遅れていましたが、これらのメリットを考えると、今回のJOGMECの決断は賞賛できます。


◇ 海外進出のリスク 2012/09/23

 尖閣問題に端を発した中国の反日感情の悪化は、デモは収まってきたモノのそう簡単には納まらないでしょう。

 その一端として、中国における日本商品の物流に影響が出ているというニュースが入ってきています。日本からの輸入品の通関手続きに非常に時間がかかるというのがその手口です。

 政治と経済の分離といいながら、政治問題をこのような形で表すやり方は非難されてもやむを得ないのではないでしょうか。

 日本企業の海外進出を巡っては、中国の反日デモなどの影響で、中国以外の国への進出を模索する動きが強まり、ベトナムなどアジアの新興国市場への関心が高まっています。

 私たちの仲間には、海外展開の支援をする経営士・コンサルタントがいます。リスク分散の意味からも、別の国も模索しているようです。

 その一環が、日本商工会議所のミャンマー他への訪問団派遣というように対応が打たれているといえます。

 アウンサン・スー・チーさんの活躍で、ようやく民主化と経済改革が急速に進んできているミャンマーでは、テイン・セイン大統領とも会談する予定になっています。人口が6000万人の大市場で、人件費が安く、天然ガスや銅などの資源も豊富です。かつては、山田長政等をはじめ日本との交流の深いこともあり、アジア最後のフロンティアとも呼ばれるミャンマーは有力な相手国といえます。

 一方で、海外ビジネスにはリスがつきものです。ご相談があれば、日本経営士協会http://www.jmca.or.jpへお問い合わせください。

 また、昨日のブログでもご紹介しましたように独立行政法人中小企業基盤整備機構でもアドバイザーを要しています。

 本部(東京)http://www.smrj.go.jp/keiei/kokusai/advice/000219.html
 地域本部  http://www.smrj.go.jp/keiei/kokusai/advice/032970.html

 どうぞ、ご利用ください。


■ 海外ビジネスの専門家への相談を受け付けています

 中小機構では、海外ビジネス専門家を常設し、内容に応じて各分野で専門性の高いスキルを持つ約300名の「国際化支援アドバイザー及び海外販路開拓支援アドバイザー」と連携しながら、本部(東京)と全国10ヶ所(札幌・仙台・金沢・名古屋・大阪・広島・岡山・高松・松山・福岡)において経営支援の観点に立ったアドバイス(無料)をご提供しています。

申込みはこちらから
本部(東京)http://www.smrj.go.jp/keiei/kokusai/advice/000219.html
地域本部  http://www.smrj.go.jp/keiei/kokusai/advice/032970.html



◇ 世界貿易縮小傾向とその対策 2012/09/23

 WTO(世界貿易機関)は、ことしの世界の貿易の伸び率について、3.7%としていた半年前の見通しを下方修正し、2.5%としました。

【原因】

1.アメリカの雇用情勢や企業の生産活動の回復が遅れている
2.ヨーロッパの信用不安の影響でユーロ圏などで実体経済が落ち込んでいる
3.ヨーロッパ経済の冷え込みによる減少を中国内需がカバーできない

 これらのことから、来年の世界の貿易の伸び率についても、5.6%から4.5%へと下方修正しました。

 さらに懸念されることとして、世界経済の回復の足取りが鈍る中で、各国が自国の市場を守るために保護主義的な措置を取る動きです。経済の回復を着実なモノにするためにも保護主義はマイナスです。

 WTOでは、「多国間の貿易自由化の枠組みを改めて進展させるべきだ」と言っていますが、それでカバーできるだけの効果があるのか、疑問もあります。

◇ 世界的な穀物価格高騰 2012/09/23

 アメリカの穀物等の農産物価格が高騰しているあおりで、家畜の餌の配合飼料の価格が、来月から大幅に値上がりします。

 農林水産省は畜産農家に価格の上昇分を補填(ほてん)する程の大きな影響が出てきています。

 配合飼料や穀物価格だけではなく、それに関連した製品は影響を受けます。

 TPPに加盟したとして、このような時でもアメリカは安定価格で農産物を提供するのでしょうか?

◇ 個人の現金や預金が過去最高 2012/09/22

 日本人が個人で保有する金融資産のうち現・預金残高が、6月末に844兆円に達し、これは過去最高です。

 かつては、日本人の貯蓄率は先進国では突出して高かったのですが、バブル期に投資マインドが醸成されてから貯蓄率は低下傾向と言われて来ました。それが金額ベースでは増加したことになります。

 その背景には、世界経済の減速から株価低迷などがあることは想像できます。

 この度再上場は果たしたJALのもとの個人株主さんの気持ちを考えると複雑な気持ちです。


◇ 中国における日本製品販売 2012/09/21

 日本自動車工業会の豊田章男会長は、中国各地の激しい反日デモの影響で、中国での日本車の販売が減少することを憂慮する発言がありました。また、日中両政府に関係改善を急ぐよう求めました。

 販売店が大きな被害を受けたことだけではなく、反日感情から日本製品に対する買い控えが大きく懸念されます。

 これは自動車メーカーだけの問題ではなく、全産業にいえます。

 中国にある日系企業は、サプライチェーンの一環として組み込まれているわけで、それによる寸断から部品が入手できず、製造ラインがストップすることも考えられます。

 日本だけではなく、中国そのものにも影響が大きいはずです。日中政府の前向きな姿勢を期待します。

◇ 景気回復時期が後ずれ 2012/09/20

 日銀の金融政策決定会合の結果発表がありました。

 追加の金融緩和策が決定されるのかどうかが焦点でしたが、予想通り緩和に踏み切りました。市場に大量の資金を供給する基金を10兆円増やすという追加の金融緩和策です。ところが、一時的に円相場が値下がりしましたが、すぐに値上がりに転じました。

 このことからも想像できるように、低金利の現状では金融政策で景気浮揚をコントロールできる状況にはないということです。

 海外経済の減速で景気回復の見込みが想定よりも後ずれしていると判断できます。その結果、デフレからの脱却を目指す日銀の「1%の消費者物価の上昇」も後ろに伸びることは必定でしょう。

 どのように物価目標を実現するか。今後の日銀対応が注目されます


◇ 電力融通でも厳しい東北電力 2012/09/19

 昨日は、厳しい残暑と東北電力火力発電所のトラブルで、東電他から融通を受けました。今日19日も東日本全体の使用率が94%と再び厳しい見通しです。

 原発ゼロを叫ぶ前に、原発ゼロでもやって行けると言うことを示すためにも、節電をしなければならないと思い、努力するつもりです。


◇ 中国日系企業 2012/09/18

 連日、日系企業が暴動や略奪に遭遇している記事が報道されています。立ち直りに要する時間や機会損失、費用等々は相当なものでしょう。日系企業に雇用されている中国人の失業も深刻になるでしょう。

 悲しいことですね。


◇ 最低賃金が改定 2012/09/17

 「最低賃金」という言葉を良く聞きますが、意外と実態が知られていません。

 企業が従業員に支払わなければならない最低限の賃金のことで、都道府県別に時間給で定められます。

【Wikipedia】最低賃金
労働基本権に基づくもの。多くの国では労働者の基本的な権利として広く適用されているが、必ずしも全ての労働者に適用されるものではなく、外国人労働者は対象外とするような特定の層に対して減額や、適用除外が行われることがある。シンガポールのように最低賃金制度は存在せず、賃金は労働力の需要と供給のバランスで決定される国家もある。

 最新のデータでは、全国平均で749円です。これは前年より12円のプラスです。10円以上の引き上げ幅になるのは2年ぶりのことです。一斉に引き上げられるのではなく、9月末から11月にかけて順次実施されます。

東京都  850円(+13)
神奈川県 849円(+13)
大阪府  800円(+14)

 最も低いのは島根県と高知県で652円です。

 最低賃金で働いた場合の1か月の収入が、生活保護の水準を下回るという状況を「逆転現象」といっています。働く人の方が、働かなくても支給される金額が高いことを逆手にとって、意図的に就労をしない人がいるのではないかと話題になっています。

 この現象は、全国何処でも発生しているというわけではなく、北海道、宮城県、東京都、神奈川県、大阪府、広島県で起こっています。


◇ 物価 東京と世界の比較 2012/09/16

 東京の物価が高いことは、以前より言われていたことです。

 この度、スイスの大手金融グループ「UBS」が、2012年4月から5月にかけて、世界72の主な都市の物価や賃金の水準を調査しました。

 この調査によると東京の物価は、世界で3番目に高いというのです。

 アメリカのニューヨークを「100」とした場合、最も物価が高かったのは、ノルウェーの首都オスロで、116.0でした。続いて2位はスイスのチューリヒで110.1、3位の東京は108.9でした。

 因みに、ニューヨークは6位、ロンドンは10位でした。

 賃金に限定すると、最も高いのがチューリヒ、2位が同じスイスのジュネーブ、3位がデンマークのコペンハーゲンで、ニューヨークは6位、東京は8位でした。東京は物価に比べて賃金が比較的高いということが解ります。

◇ ヤフーメール利用者の注意2012/09/15

 ネット上で無料サービスを利用する人は多く、各種情報の収集に利用されていることを知らないで利用規程に同意してしまっているのではないでしょうか。

 ヤフーがメールの内容を解析して、その内容に応じてメール利用者が興味を持ちそうな広告を表示させることを決定していました。

 総務省が通信の秘密の侵害に当たるおそれがあると指摘し、実施を控えていました。

 Gメールを利用している人は、すでに広告が入っていることをご存知ですが、海外拠点のサービスと言うことで、総務省の管轄外という考えです。

 この度、ヤフーが「利用者の同意を得る仕組みができた」として、9月19日からこれを開始すると発表しました。

 もし、解析されて、広告を挿入されるのが嫌な人は、ヤフー・メールを利用するときに、この案内が表示されるので「NO」を選択すれば解析されなくなります。

 グーグルの場合には、メールだけではなく、包括的に同意するか否かを求められるのに対して、ヤフーの方はここのサービスに限定されているので、用途によりYES・NOを使い分けると良いでしょう。




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