2012年11月22日

■■【元気な会社】鋳造技術で生き残り 木村鋳造所 33

■■【元気な会社】鋳造技術で生き残り 木村鋳造所 33

特有の技術課題を克服

 木村鋳造所のフルモールド鋳造法による鋳物づくりが国内外から注目されている。同鋳造法は製品形状を決める模型に一般的な木型ではなく、発泡スチロール製模型を使うもので、同社はすべての鋳物をこの鋳造法でつくる。特有の技術的課題を克服し、模型づくりではデジタル技術や機械加工も駆使する。同法で鋳物業界をリードする同社の工場には見学者が絶えない。

 1927年に創業した当初は、同社も木型を使っていたが自動車産業が盛んな愛知県などの鋳物メーカーとはどうしても技量に差がついてしまい事業は伸び悩んだ。新しい鋳造技術が日本に入ってきたのはそんな時だった。

 その技術こそフルモールド鋳造法。同社が将来性を感じて導入したのは1966年のこと。砂に埋めた発泡スチロール模型に溶けた金属を流し込み、模型をガス化させて製品を成形するもので、木型に比べサイズの大きい複雑形状の製品が短期間でできることなどがメリットだ。ただ、同鋳造法には特有の技術課題もある。

 模型の燃え残りかすが鋳物製品の品質を落としてしまうことだ。同社も当初はプレス金型などに用途が限られ、鋳物がそのまま製品となるものは、鋳造できなかった。そこで、溶けた金属の流し方や流し込むスピード、使用する砂の工夫など、残りかすの限りなく少なくする技術の確立を急いだ。その結果、工作機械用やポンプ用などに用途が拡大した。

世界一クリーンな工場目指す

 フルモールド鋳造法は生産性向上にも大きく貢献した。始めたころの模型づくりは切ったりはったりの手作業ばかりで効率が悪かった。そこで3次元データを使った機械加工化を図って、コンピューター利用設計・製造(CAD/CAM)ソフトや加工用に数値制御(NC)機械の導入を進めた。今ではCAD/CAM台数が90台、オペレーター人員が80人に上り、NC加工機は約50台を抱える。模型製作は完全に手作業から機械加工に転換。生産性が高まり、量産には不向きという同鋳造法の概念を覆した。プレス金型用鋳物生産で国内シェア約45%、工作機械用で同15%と、いずれもトップを誇るまでに成長した。

 一方、鋳物工場に定着している「3K」(きつい、汚い、危険)のイメージをぬぐい去ろうと、世界一クリーンな工場づくりにも挑む。1994年には主力の御前崎工場が「素形材産業環境優良工場通産大臣賞」を受賞するなど成果が出ている。

 今、同社は技術開発を加速しつつある。開発部門では技術者の博士号の取得を促進している。博士号を取得するぐらいの技術陣レベルでないと技術開発ができないとの考えからだ。技術革新により、さらフルモールド鋳造法の可能性を広げていく方向である。

【コメント】 基盤技術の革新を期待

 同社が採用している「フルモールド鋳造法」は、国内で導入する企業が増えているとはいえ、その普及率は「鋳物生産全体の5%足らず」です。

 まだ発展途上の技術ですので成長性があるといえます。

 CAD/CAMという先端技術を取り入れるだけではなく、「世界一クリーンな工場づくり」という5Sの基本を前面に掲げて、前者で取り組んでいます。

 鋳物は製造業・モノづくりの基盤といえます。すでに多くの実績を残していますが、技術開発にこだわり、他社の追随を許さぬ工夫を求めているのが、今後の成長に期待を持たせてくれます。




同じカテゴリー(成功企業・元気な会社事例紹介)の記事

※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。