2012年10月21日

■■【ヨーロッパ経済の読み方】 もしEU離脱国が出たら

■■【ヨーロッパ経済の読み方】時系列的に見ると理解が深まる

 最近の経済ニュースのエッセンスを、独断と偏見でもってまとめてみました。

◆ もしユーロ圏脱落が起こると? 2012/10/22

 ユーロが安定してきたとはいえ、ギリシャやスペインの動向からは目を離せない状況です。加えてイタリアポルトガルがあります。

 これら4か国では厳しい財政状況が続いていますが、ヨーロッパ最大のメディアグループなどが運営する、ドイツの「ベルテルスマン財団」が、「これら4か国が、仮に財政破綻してユーロ圏を離脱したら、どのような経済的な打撃を各国に与えるか」という試算をしました。

 主要国が被る経済的な損失は2020年までを合算して「1700兆円」を上回るという見通しを発表しました。

 その試算によると主な国の損失額は下記のようになっています。

  1位  フランス   300兆円
  2位  アメリカ   290兆円
  3位  中国     197兆円
  7位  日本      88兆円

の損失を被る見通しだということです。

 財政破綻してユーロ圏を離脱した場合、これらの国々の国債を保有する国や金融機関などが、巨額の損失を被ります。また、当然のことながら貿易量も大幅に減少しますので、このような巨額な金額になるのです。

 そうあって欲しくないですね。


◇ ユーロ圏の景気回復はまだ先 2012/10/06

 ヨーロッパ中央銀行は単一通貨ユーロの金融政策を決める定例の理事会を開きました。

 厳しい景気の現状を引き続き金融面から下支えするため、過去最低になっている今の政策金利の水準を、当面、年0.75%のまま維持することを決めました。これで金利の据え置きは3か月連続となります。

 ユーロ圏では、財政状況の厳しい国を中心に景気の落ち込みが続いています。その結果、失業率はユーロ導入以来最悪の水準です。

 製造業も低迷が続いています。

 政策金利はすでに0.75%台と低く、さらなる利下げの余地は狭まく、金利を下げても大きな効果を見込めない状況です。

 前回の理事会で「信用不安の拡大を食い止めるため、財政難の国がEUなどに申請すれば、連携してその国の国債を市場から買い取って支援する」という対応策を打ち出しました。その結果、各国国債の利率が大きく7%を超えることも少なくなってきています。

 これ以上の悪化は金利策では限界があるだけに、早い回復を期待します。

◇ ユーロ圏の失業率最悪 2012/10/03

 ユーロ圏のことし8月の失業率は11.4パーセントと、ユーロ導入以来、最悪の水準が続いています。しかも3か月続けてのことで、失業率の悪化に歯止めがかからない状態です。

  スペイン     25.1%
  ギリシャ     24.4
  ポルトガル    15.9
  アイルランド   15.0
  イタリア     10.7
  フランス     10.6

 スペインの場合には25歳未満に限定すると52.9%と若者の半数以上が失業している状況です。

◇ ヨーロッパ好転の動き 2012/09/08

 ヨーロッパ中央銀行の定例理事会が開催されました。

 厳しい財政状況のスペイン他を対象に、新たな国債の買い取り策を一定の条件下ではありますが、正式に決定しました。これを契機に変化が起こってきました。

 ドイツのメルケル首相が、スペインのラホイ首相が首脳会談後の記者会見で、信用不安の解消に向け協力していく姿勢を強調しました。

 好転ではないですが、ヨーロッパ中央銀行は、政策金利については慎重な態度で、今の水準を維持し、変更する執拗はないと判断しました。

 スペイン、イタリアなどの国債が買われ始めました。

 当然のこと、株価が上昇しています。

 これらの動きを契機に、関連各国の状況が好転し、ヨーロッパ信用不安の払拭に繋がるということは、短期間にはムリでしょう。しかし、これが中国経済回復、日米にプラスというような善循環に繋がることを期待します。



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