2013年12月13日

■■【経営コンサルタントのお勧め図書】 失敗の本質

■■【経営コンサルタントのお勧め図書】 失敗の本質

 「経営コンサルタントがどのような本を、どのように読んでいるのかを教えてください」「経営コンサルタントのお勧めの本は?」という声をしばしばお聞きします。

 日本経営士協会の経営士・コンサルタントの先生方が読んでいる書籍を、毎月第4か曜日にご紹介します。

■ 今日のおすすめ

「失敗の本質」(野中郁二郎他5氏共著 中公文庫又はダイヤモンド社)

「『超』入門 失敗の本質」(鈴木博毅著 ダイヤモンド社)

■ はじめに

 私は、作家堺屋太一氏の著書「第三の敗戦」(講談社)の考察に刺激を受け、第二の敗戦である大東亜戦争における敗因とその敗因の持つ今日的課題に注目し、現在の日本企業の問題点と今後の課題を探ってみたいと思い、「今日のおすすめ」の2冊の本を採り上げました。

 ここで、本題に入る前に注目したいことは、大東亜戦争における日米の民族性(アメリカは多民族国家なので両国の比較では、国民性と言い換えた方が良いかもしれませんが、敢えて日本を主軸に考え民族性という言葉を使います)の違いが勝敗の大きな要因となっていることです。そしてそれは現代においても、注目に値する視点であると思います。

 民族性は、我々コンサルタントにとって、知っておくべき重要な知識であると思います。日米以外の民族性については、今回は触れませんが、中国、韓国、ASEAN諸国、ロシア、南米諸国の民族性の研究は、グローバル企業の経営に必須であると思います。

■「失敗の本質」で取り上げる日本軍(日本民族)の敗因

 私たち戦後教育を受けた者は、大東亜戦争の内容については全くと言っていいほど教えられていません。それは米占領軍の方針であり、日本の戦後教育の方針となったからです。

 この本を読むことで、大東亜戦争の一端(敗けた6つの作戦)をよく知ることができます。ここで強調しておきたいのは、大東亜戦争に敗けたのは、私論ですが、日本軍(民族)の弱みと米国軍(民族)の強みが顕在化した結果と思います。初戦(真珠湾攻撃、マレー沖海戦、台湾沖航空戦等)での勝利は日本軍(民族)の強みによるものでした。

■ 敗戦の要因となった日本軍の弱み(米軍の対応は逆で、強みになっている)

・戦術、方法論(戦技)重視で、統一された全体戦略がない。【戦略論】

・日本的メンタリティーに支配された組織。(「空気」と個人的人間関係、感情・精神論が支配する組織。失敗しても再登用する人事、学校の成績で決まる人事、適性を見抜く能力に欠ける人事。「体面」「保身」と組織内融和を重視する体質。最終決断をする人材の欠如。)【組織論】

・「想定外」に備えた計画(コンティンジェンシー・プラン)を持たない経験的・高慢・過信精神主義的リスク対応力。情報力、輸送力、後方支援等のファンダメンタル(必要資源)軽視の思考。【リスク管理】

・環境変化に敏感で、現場の声に謙遜に耳を傾け、柔軟に対応しイノベーションを起こしていく能力がない。【マネジメント力、状況分析力、イノベーション力】

・「帰納論」的思考に偏り、「帰納論」と「演繹論」を併用する思考がない。【組織文化】

■ 初戦において勝因となった日本軍の強み(米国をはじめとする欧米諸国の近代的戦法は日本軍に初戦で敗けたことにより、日本軍に勝つためのイノベーションとして生まれた)

・練磨の極限を目指す文化。(戦術、戦技への拘り。)

・体験的学習によって偶然生まれるイノベーション。(相手の戦略を踏まえ、相手に勝つための新たなイノベーションではないが故に深堀りされている。)

■ 企業経営における日本軍の敗因の今日的課題(結び)

・日本企業は日本軍の強みと同じ強みにより、第二の経済大国と言われるまでに繁栄した。しかし現在は、日本軍の弱みと同様の弱みが顕在化し、閉塞感の強い状況に追い込まれている企業が多いのではないでしょうか。(ここに民族性の壁が有ることを改めて思います。今こそこの民族性の壁を乗り越える経営改革の必要な企業が多いのではないでしょうか。)

・上記を主体に書いている「『超』入門 失敗の本質」が、これからの企業経営を革新し、閉塞感の強い今を勝ち抜く一つの参考になると思います。

【酒井 闊プロフィール】

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

http://www.jmca.or.jp/meibo/pd/2091.htm

http://sakai-gm.jp/

【 注 】

 著者からの原稿をそのまま掲載しています。読者の皆様のご判断で、自己責任で行動してください。

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